12/16(日)
大阪会場は269人もの参加者が会場を埋め尽くし、熱気ある集会として大きく成功した。
この間、東アジアの平和は大きく進展している。しかし、9月の沖縄県知事選挙で示された辺野古新基地建設反対の強い民意を押し切り、14日に土砂投入が強行された。断じて許されるものではなく、会場全体で「辺野古への土砂投入に関する抗議声明」を確認した。
平和の風が届かないのは韓国・ソソンリも同様である。わずか100人ほどの星州ソソンリ村に米軍ミサイルであるTHAAD(サード)が配備されることが計画され、朝鮮戦争の記憶を持つハルモニ(おばあさん)は戦争の最前線となると反対に立ち上がった。
カン・ヒョヌクさんは2016年12月7日に開始された水曜集会が100回を迎え、ソソンリ会館前が平和の広場になるまで時間はかからなかった。世代、職業、地域、国境を超えて連帯こそが平和であると分かったと語る。
「平和」の反対語は「戦争」である。では「戦争」の反対は「平和」かと言うと「日常」ではなかと思う。穏やかな日常が武器により壊される。そのかけがえのない日常を取り戻す闘いは沖縄と同じである。
2018年9月に、ハルモニたちは情勢が大きく変化している中でサードが配備される理由を聞きに、実際に韓国大統領官邸である青瓦台に行った。しかし、返ってきた返答は「2017年9月7日以降、状況の変化がないので政府の立場も変わらない」と言う驚きのものであった。
怒ったハルモニたちは翌10月に喪服姿で「サード配備で死んでも、ここで凍え死んでも一緒である」と抗議行動を行った。政府は警察のバスでこの抗議行動を観光客から隠そうとしたが、それを撥ね退け、以下の回答を勝ち取った。
・米軍、油類の陸路搬入はしない
・住民との協議なしに基地工事はしない
・ソソンリのキャディー宿泊施設前の警察撤収
・ジンバッ橋前警察撤収について関係省庁間の協議
しかし、来年4月にも工事再開の動きがあり、これを止めていかなければいけない。
平和はどのようにして作られるのか。朝鮮の開城(けそん)には6万人の軍が駐留していた。金日成国防委員長は「6万人の軍を撤去することは安全保障上リスクとなる。しかし、60万人の軍を置いても平和はこない。何万人もの韓国企業が入ることで実質的な平和がつくられる」と軍人を説得した。
国民が絶えず反対することでその背後に作れられる韓米日軍事同盟(戦争協力体制)が止められる。しかし、大部分の人はその実態を知らない。小さな声でも上げ続けることで政府の平和政策への転換につながる。
「出来るからやるのではない。しなければならないからするのだ」
質疑応答ではサード配備反対闘争の実態について率直に語られた。
サード配備反対の闘いの状況はあまり良くはない。韓国内では平和協定が締結されれば自然とサードの問題も解決するのではないかと言う意見もある。またソソンリは田舎であり、観光地であるカンジョン村の海軍基地建設反対のように現場にくる機会も少ない。
しかし、大切なのは抗議する現場の維持である。水曜集会は6つの団体(星州闘争委員会、サード配置反対金泉市民対策委員会、円仏教星州聖地守護非常対策委員会、サード韓国配置阻止全国行動、釜山、ソウル)で毎週当番制で行われている。集会ではサード配備反対の闘いが朝鮮半島みんなの闘いであると確認する場となっている。
韓米日軍事同盟が戦争を口実にして国民の税金を軍事費につぎ込んでいる。しかし、武器で平和はつくれない。武器でつくれるのは戦争だけだ。政府には武器をつくらず、ご飯をつくれと訴えていかなければいけない。
集会の後半では署名数の発表があり、安倍9条改憲NO!署名は累計32,870筆、東アジアの平和を求める署名は6,969筆であった。集会はカン・ヒョヌクさんの「ともに平和」のコールで締めくくられた。
集会後は雨が降る中、大阪市役所前までデモが行われた。ペンライトなど光り物を持ち、クリスマスソングの替え歌など注目を集める楽しいデモとなった。参加者は「東アジアの平和をつくろう」「安倍はやめろ」と声を上げた。