7/28(土)開会集会
連帯のあいさつ(要旨)
◇服部 良一さん(社会民主党大阪府連合 代表)
安倍政権の外交はなってないが、東アジアの平和をつくる―これは私たち自身の仕事でもある。朝鮮戦争を完全に終結させ、平和協定に転換して冷戦を終わらせ、平和・非核化を本当の意味でつくる。日朝関係を正常化して、平和憲法の理念に基づく平和な東アジアを。皆さんと一緒に声をあげていきたい。9月18日、憲法改悪阻止、東アジアの平和実現、日朝国交正常化へ、27日のキャンドル行動のような大きな集会を持つ。
東アジアの平和が実現する中で憲法9条を変える必要はないし、辺野古新基地を建設する必要もない。共に平和をつくっていこう。
◇梅田章二さん(ヒバクシャ国際署名推進・大阪の会 事務局長)
ヒバクシャ国際署名は被爆者の方のよびかけで始まりました。「核兵器を禁止し廃絶する条約を結ぶことをすべての国に求める」署名です。5年に1度のNPT(核拡散防止条約)再検討会議が2020年に開催されます。それまでに、世界で数億の署名を集めることが目標です。昨年、大きな出来事がありました。ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)のノーベル平和賞受賞です。核兵器の廃絶は人類の念願です。これを実現する動きが朝鮮半島でも生まれています。これまでの運動の枠組みを超え、市民運動の力を結集して、ともに実現していきましょう。
◇在日朝鮮人の方のアピール
朝鮮半島情勢はいま劇的な変化を遂げている。これまで対立と戦争、一触即発の象徴だった板門店で南北首脳が会い、手を携えて北に渡った後に南の軍事境界線を越えた。私はあのシーンをかたずをのんで見守っていた。心が震えた。その背景に、キャンドルが象徴する南の民衆の闘い、経済封鎖の中で独自の経済を支えてきた北の人民たちの闘いがあった。歴史は新しい歴史を歩み始めた。東アジアの平和の歴史はやがて世界の歴史へと流れて行く。日朝の国交正常化に向け、日本の安倍政権による北敵視や朝鮮学校差別を許してはならない。皆さんと共に、この大きな平和の流れをつくっていくことをお誓いする。
◇狩俣信子さん(沖縄県議会議員)
こんにちは。韓国のみなさん、アンニョンハセヨ。7月27日朝、翁長知事によって県政与党議員が集められ、辺野古埋め立て承認撤回の件で話し合いが行われた。知事の決意を尊重し、与党としてしっかり支えることを確認した。全交の皆さんが沖縄だけでなく、韓国、イラク、フィリピンからもゲストを迎え支える。その運動に心から敬意を表する。何かあれば駆けつける皆さんを心強く思う。世界の平和、アジアの平和へ連帯して取り組んでいける。安倍首相を許さない。即刻退陣だ。
◇多和田栄子さん(那覇市議会議員)も一緒に登壇いただきました。
◇佐藤和義さん(MDS(民主主義的社会主義運動) 委員長)
悪法をいけしゃあしゃあと通す安倍政権がなぜ居座ることができるのか。日本の有権者の3割が右派で、2割が左派、残る5割が中間層と言われている。安倍は3割程度の支持しかないはずだが、5割を黙らせ2割を脅かせば選挙に勝てるということを実行してきた。森友・加計問題が典型だが、勝手なことを言い、5割の中間層に「この人には何を追及しても無駄だ」とあきらめさせた。メディアがそれを助けた。ごまかしの国会答弁をしているのは安倍なのに、「野党の追及不発」と言い、どっちもどっちだと印象づける。NHKニュースを見ればわかるが、政権に都合の悪いことはなかなかトップで扱わない。とはいえ安倍政権はたかだか2、3割の支持。本質的には1%の層の利益のみを代弁する集団である以上、その基盤は弱い。今般の東アジア情勢の変化は大きな意味がある。人びとが変革の展望を見出し、闘うチャンスだ。欧米では社会主義政党が前進している。米国でもサンダース候補を支えた「アメリカ民主主義的社会主義者(DSA)」が大きな支持を得ている。そのような勢力と連帯し、平和な東アジアを構築する。それが時代遅れの戦争路線に固執する安倍政権に対する私たちの回答である。
◇中川てつやさん(平和と市民自治のまち大津をともにつくる会 代表)
安倍政権は、「骨太の方針2018」で増税と医療・社会保障費の削減、軍事力強化と企業の儲け口確保を方針化した。自治体分野では、戦争できる国と大企業の儲けを保障する仕組みづくりへ「公共サービスの産業化」の名の下にあらゆる部門で民営化が急速に推進されている。今こそ、憲法を変えず、憲法を生かした自治体に議会を変えることが求められている。とりわけ、安倍が今秋冬の国会で改憲発議を狙っているとき、統一地方選は改憲阻止の闘いでもある。ともに安倍打倒の闘いをおおきくひろげよう。
7月28日(土)メイン集会(発言要旨)
『戦争と排外主義を乗り越え、東アジアの平和を市民の力で』
①『安倍政権を打倒し、戦争・改憲政策を止める』
2018 ZENKO in 大阪 実行委員長 田中拓真
私たちZENKOはこの間一貫して軍事力ではなく、市民による日韓連帯で平和を築こうと訴えてきました。昨年12月には韓国の代案文化連帯のユ・ミヒさん、ビョンヒョンジュさんの2人と沖縄の上間芳子さんを迎えて、「東アジアを戦場にするな!日韓連帯スピーキングツアー」を開催、日韓で共通する基地問題とそれに対抗する日韓連帯の必要性を訴えかけました。1月以降、平昌オリンピックを契機として南北、そして米朝の対話が急激に進んでいくなかで、私たちZENKOと「代案文化連帯」は『平和を希求する韓日市民共同声明』を街頭やネットで1000人以上の賛同を集め、対話を歓迎する平和のキャンペーンを進めました。4.27南北首脳会談の直後の5月上旬にはZENKOから脱原発や韓国のTHAADミサイル配備反対の現場に連帯訪問しました。わずか数100人の村にアメリカのTHAADミサイルの配備が決定され、1000人もの警察配備される異常な光景は、沖縄の高江や辺野古を彷彿とさせ胸が痛みました。5月下旬にはカン・ヒョンウクさんなど3人を招き、「今こそ対話で東アジアに平和を!日韓連帯スピーキングツアー」を北海道、東京、大阪、広島、沖縄で開催し、戦争の種となるTHAADミサイル撤回を訴えました。経済最優先・人命軽視こそがアベ政治の本質であり、その先に改憲・戦争路線があります。安倍は今国会で改憲発議を狙っていたが、森友・加計問題、財務省の公文書改ざん問題などへの追及と改憲阻止の3000万署名の運動などで、改憲発議は阻止することができました。秋の臨時国会で改憲4項目の提示から審議入り、改憲発議を行うまでは困難な状況に追い込んでいるが、安倍は総裁3選から2020年改憲を諦めてはいない。私たちも、この秋全力で闘うことが必要です。改憲を断念させるために改憲阻止3000万署名の達成が求められています。平和でなくてはいけません。そして民主主義が徹底されなければいけません。国際連帯の力で安倍を打倒し、ともに平和と民主主義をつくりだしていきましょう。
②沖縄『辺野古新基地建設の現状と展望』
上間芳子さん(沖縄平和市民連絡会)
翁長知事が埋め立て承認撤回を表明し、聴聞―撤回の間に、8月17日土砂投入を迎える。大浦湾のマヨネーズ状の脆弱な地盤では、どうやっても埋め立てはできない。4年間もボーリング調査が続く異常事態。埋め立て予定のたった4%に土砂投入するのは、県民をあきらめさせるためだ。政府は、承認撤回に対し、執行停止の裁判をおこすだろう。だが、活断層があり、現状でも危険。近隣の沖縄高専・久辺小中学校・高台の住宅など80か所が米国防総省の高さ制限にもかかる。「適用外」とごまかそうが、危険だ。
警備員100人、沖縄県警70人で警護しないと車1台入れない。孫のような機動隊が力ずくで排除し、炎天下1時間も閉じ込める。熱中症で倒れてもおかしくないが、おじい、おばあは誰一人倒れない。新基地は沖縄を軍事要塞化し戦争への道を開く。絶対に負けるわけにいかない。翁長知事は命をかけ、県民と一緒に闘い続ける。9月那覇市長選と名護市議選、11月知事選。その後も県民投票と続く。まず、辺野古に。土砂投入阻止へ全国から支援をお願いします。
③沖縄・宮古島『南西諸島への自衛隊配備反対の闘い』
当真まり子さん(てぃだぬふぁ 島の子の平和な未来をつくる会)
7月27日東アジア平和へのキャンドル行動では、より高い目標を目指せば一つになれると確信できうれしかった。ミサイル基地敷地の5分の3が削られ、草木一つなく心が痛む。説明会で「住民の人権はどうなる?」の質問に、防衛省の回答は「分かりません」の一言。こんな基地の作り方はあり得ない。保良につくられる弾薬庫は集落まで200メートル。目と鼻の先だ。宮古島は土がなくすぐ石灰岩で、少し掘れば地下水が湧き薬剤が必要となる。もう少し掘ると薬剤はすべて海に流れる。こんな所に弾薬庫はできない。
「保良地域活性化」を理由に自衛隊官舎100戸を要請する署名が100筆集まったと報道された。1人の議員が各戸訪問し、「とにかく名前を書いて」と、中味は何も説明せず集めたものだ。本当は7割の人が反対だ。千代田ゲート前で朝8時から1時間、毎週水曜夕方5時から1時間スタンディングする。手を振り返し、会釈し、たくさんの人が応えてくれる。環境を守り、平和な島を次の世代に残す。
④韓国『戦争、原発反対でつながる日韓市民の連帯』
代案文化連帯 歌: 故 ぺ・ボンギ ハルモニの霊前に
ユ・ミヒさん(代案文化連帯・軍縮反戦平和行動)
南北、朝米首脳会談では、敵対的関係の終結など共通していた。韓国内の保守勢力と米国マスコミは「失敗会談」とけなした。しかし韓国民衆は82.4%が会談を支持し、文在寅支持率も80%。朝米会談翌日の地方選挙では、革命的といえるほどの与党圧勝。「保守畑」と言われる釜山、蔚山、慶南でも、基礎自治体(市町村など)議員まで勝利した。
会談後、具体的合意がみられないのは、米中の覇権争いの影響だ。だが、南北政府に決断を促すのは民衆の闘いだ。平和の時代を拓いているのは一人の政治家ではない。南北分断後70年間、平和と民主主義を求めて闘ってきた労働者民衆の経験が凝縮され、ろうそく革命の波となった。だが〝アカがきえたところにマイノリティを置いて、排除と嫌悪の政治が継続。しかも大衆自らが選択している〟と言われる状況がうまれている。これには民衆の生活文化を変える闘争が必要だ。次世代へ闘いを継承するための拠点として、ZENKOも協力してくれた「アートホール」の建設を進めたい。来年1月、「韓日青年平和ツアーin沖縄」を成功させたい。
⑤韓国『戦争の種をなくすTHAAD 配備撤回の闘い』
カン・ヒョンウクさん(円仏教星州聖地守護 非常対策委員会教務)
THAAD(高高度防衛ミサイル)配備は、朴槿恵政権下で決定された。弾劾訴追を避けるために「北風」(朝鮮の脅威)を利用しようとした。戒厳令さえ準備し、米政府にそれを受け入れさせるためにサード配備を急いだ。国会手続きも環境影響評価も省く違法な手段をとった。基地用地の取得費支出には国会の承認がいる。それを避けるために、国有地と交換した。問題は、文在寅政権下で、追加配備を認めたことだ。数千人の警官を動員し、住民を弾圧した。文在寅は、外交を通じて中国、米国、朝鮮との関係を修復、改善してきた。平和の花は咲いたが、まだ実は結んでいない。米国を刺激しないようにソソンリを犠牲にしている。完全な平和の実を得るには、どのような場合でも犠牲を出してはならない。朝鮮半島の周辺国は覇権争いを続けている。サードは戦争の種になる。真の平和を得るために、世界の反戦平和勢力は、サードだけではなく、あらゆる武器、基地を撤去させることが必要だ。沖縄のようにあきらめることなく、連帯して闘おう。
⑥フィリピン『ドゥテルテ政権による戦争・虐殺を止める』
ポール・ガランさん(ABAKADA[貧困地域の就学前教育施設]代表)
ドゥテルテ大統領は、独裁者マルコス元大統領一族の仲間だ。麻薬撲滅の名で政府に批判的な宗教家などを含む2万3千人を超法規的に殺害し、人権侵害を繰り返し活動家たちを逮捕。正義を求める「慰安婦」像撤去も命令した。安倍政権とドゥテルテの軍事提携が加速している。日本のODAで高速艇13隻、巡視船10隻を供与。自衛隊の多目的ヘリコプター、練習機などが譲渡された。ファシストの軍事支配を支援し、少数の支配者の利益を守るものだ。500万人が失業し、米や必需品は高騰し、高官たちは汚職まみれ。7月23日、左翼団体や非核フィリピンなど幅広い市民が手を結び、全国で反政権行動を行った。来年2月9~10日、戦争・暴力・貧困に反対するマニラ平和大会にぜひ参加を。
⑦イラク『中東でのグローバル資本による「対テロ戦争」との闘い』
サミール・アディルさん(イラク労働者共産党)
人類はその歴史で最も危険な段階を生きている。貿易戦争は世界資本主義の経済危機の深刻さを示すものだ。イラン核合意からの米国離脱や朝鮮との非核化合意を崩す試みがある。 気温50℃以上の中、豊かなはずの21世紀のイラクで清潔な水や電気が夢と化している。政府とイスラム主義勢力は、人びとの抗議に射撃と逮捕、誘拐で応えている。イラク民衆は皆さんの支援、連帯が切実に必要だ。移民、難民たちの苦しみが資本主義の恐ろしさを示している。私は世界の移民を守ることを今回の全交決議にするよう呼びかける。
パネルディスカッション『東アジアの平和構築のため国際的な市民の連帯をどうつくるのか』
2021