【コロナ危機下で新たな連帯運動の形】東アジアに平和を!ZENKOスピーキングツアー、のべ1,010人の参加で成功!

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「東アジアに平和を!沖縄の辺野古新基地建設阻止、日米間軍事一体化を許さず 沖縄、韓国と民衆を結ぶZENKOスピーキングツアー」は7日間で延べ1010人の参加(オンラインを含む)で大きく成功しました。韓国で強行されるTHAADミサイル基地建設、沖縄辺野古の新基地建設阻止の闘いと各地の平和と民主主義を求める市民運動を一つに結び、ZHAP(ZENKO辺野古プロジェクト)賛同署名運動や2021 ZENKO in 大阪の成功、土地規制法案反対などの闘いを呼びかけました。沖縄の最前線で闘う7人がオンラインで報告するなど、コロナ危機下での新しい連帯運動の形を示すことが出来ました。

5/30(日)広島集会

各地で連日の集会にオンラインで参加でき会場がもうけられた。上間さんの講演に聞き入る大阪会場の参加者

5月30日(日)の午後、2021 ZENKOスピーキングツアーの幕開けとなる広島集会を開催した。緊急事態宣言の発令により、残念ながらアステールプラザの会場にはスタッフのみが集合し、一般参加の方はすべてオンラインでの参加となったが、県外からの参加者も含め総勢130人の結集で成功させることができた。集会は定刻に開始し、司会からの挨拶に続いて基調報告をした。そして、韓国ソソンリから送られてきたTHAADミサイル配備反対闘争の最新の映像、DSAと辺野古を止めるZHAPキャンペーン開始の記者会見映像を上映した。 

続いて広島集会のメインゲストである上間芳子さん(沖縄平和市民連絡会)から辺野古新基地建設に反対する現地の闘いの現状を詳しく語っていただいた。このコロナ禍にあって組織的な抗議行動が困難になる中にあっても、一日も欠かすことなくゲート前に赴き監視活動を続けておられること、それは基地建設を許すことがすなわち新たな戦争への加担、人殺しへの加担を意味するからだと言われる上間さんの強い信念がひしひしと伝わるお話しであった。上間さんはまた国会で与党が強行させようとしていた「重要土地規制法案」について、沖縄の反基地闘争つぶしが狙いで、この法が成立すればゲート前の座り込みテントも撤去されてしまうと、危機感を表明された。残念ながら政府与党及び維新、国民民主は6月15日未明、この法案を強行成立させてしまった。これからは沖縄現地の人とともに法を実働させない闘いが始まることを肝に銘じたい。

次に、広島から新田秀樹さん(ピースリンク広島・呉・岩国)に巨大な軍事拠点になっている岩国基地の現状について報告していただいた。90年代以降の滑走路沖合移設、そのための愛宕山「開発」、厚木基地からの空母艦載機の移駐、オスプレイやF35Bの配備、大型艦船が着岸できる護岸の整備等々。米海兵隊、米海軍に自衛隊機を加えると駐留機数において嘉手納基地をしのぐ巨大な基地となっている岩国基地の今をパワポ画像を使って詳しく説明して頂いた。

この広島集会は7会場のトップバッターだっただけに、沖縄の上間さんとのZoom接続や動画上映への切り替え、パワポの画面共有のタイミング、報告者の音声の具合等、事前の心配の種は尽きず不安でしかたなく、そのため、細かい集会シナリオも準備して臨んだ。当日は会場での電波状況が一時不安定になることはあったがZoom配信自体は安定して行うことができ、なんとか集会を成功させることができてほっとしている。当日用事で参加が叶わないにも関わらず賛同カンパを寄せて頂いた方も多く、この場をお借りして感謝申し上げたい。(ZENKO広島:日南田成志)

上間芳子さん 講演概要

上間芳子さん(沖縄平和市民連絡会)

辺野古で座り込みを始めて7年になる。コロナ禍で組織的な反対行動はとれないが、ゲート前の監視行動は一日も休むことなく続いている。埋め立て土砂を搬出する安和桟橋や塩川港でも抗議行動を続けている。

塩川港にはベルトコンベヤーが設置され、使用時間を超える夜8時頃まで暗い中で作業強行。作業員も、市民も、危険な状態だ。

衆院内閣委で強行採決された重要土地規制法案。これを見た時、真っ先に「辺野古のテントが撤去される」と思った。法案にある「注視区域」では、基地機能を阻害する行為に土地・建物を使わせないよう勧告、命令ができる。テントは国道敷地を使っているが、すでに国道事務所は撤去するよう看板を立てている。

嘉手納基地の横にある「道の駅」では飛行場から飛び立つ戦闘機などの監視行動を行っている。こうしたことも対象にされる可能性がある。命令違反には罰則まであり、2年以下の懲役、200万円以下の罰金。しかし、政令に委ねられていることが多く、内閣に白紙委任するものだ。

沖縄には米軍施設が33か所、自衛隊施設が50か所もある。その周辺1㌔を「注視区域」とされれば、県の大半が入ってしまう。

昨年4月、沖縄県警に国境離島警備隊が創設された。特殊急襲部隊(SAT)の経験者だという。SATはテロ対策部隊だ。結局、県民同士を相互監視させスパイ活動をさせるものだ。

沖縄の状況を全国に広げてほしい。ZHAPにも期待している。米軍による沖縄占領、建設不可能な辺野古新基地、人権侵害の実態を広げることだ。大浦湾を守ることは、戦争を止めることだと思っている。諦めず、楽しく、闘い続ける。

6/1(火)沖縄集会

具志堅 隆松さん(沖縄戦遺骨収集ボランティア/ガマフヤー代表)

6月1日、那覇市内で沖縄集会が開かれ、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さんが、遺骨を埋め立てに使わせてはならないと行ったハンガーストライキを報告し、決意を語った。

集会では、ZHAP呼びかけ人の上間芳子さん(沖縄平和市民連絡会)が賛同署名運動を呼びかけ、黒柳堯憲さん(島ぐるみ宗教者の会)が「具志堅さんと一緒に1週間の断食をさせていただいた。ZENKOのみなさんと沖縄のさまざまな問題に取り組んでいきたい」との連帯あいさつを頂いた。

具志堅隆松さん 講演概要

私たちが遺骨を調査してきた〝魂魄の塔〟の西側が急に伐採されたので、防衛省に連絡を入れ「あなたたちは南部の土砂に遺骨があることがわかっていて、辺野古新基地建設の埋め立てにその土砂を使う計画を決めましたか?」と問い質した。3回尋ねても無回答だったので「みなさんは人の道に外れていますよ」と言って終わった。沖縄防衛局やさまざまな役所へ要請に行ったが、時間の浪費だった。

世の中に間違っていると言い切れることはあまりないが、これは全く間違っている。この話をすれば、自民党や公明党の沖縄県連も同意して国に申し入れをしてくれた。だから、多くの人に事実を知らせれば、みんな反対すると確信した。

3月1~6日に沖縄県庁前でハンガーストライキを行ったが、あんなにたくさんの人が来てくれるとは思わなかった。ご遺族の話も忘れられない。私が勝てる自信があるのは、話を聞く人がみな「国は間違っている」と言ってくれるから。

遺族にとって南部の土はお墓。それを戦争のための基地に使っていいのか。全国の遺族に訴えるために6月19日から23日「慰霊の日」まで、県庁前と糸満市摩文仁の「平和の礎」でハンガーストライキを行うことを決めた。

私は子どもたちに言う。日本は主権在民だから、自分たち一人ひとりがどういう国にしたいのか決めることができる。だから私は声を上げる。集会に参加している方の思いも〝沖縄を平和にしたい。世界から戦争をなくしたい〟―同じだ。

6/2(水)京都集会

東恩納 琢磨さん(名護市議会議員/じゅごんの里代表)

6月2日京都集会で東恩納琢磨さん(名護市議会議員)のお話をうかがいました。

「昨年12月大型作業台船が大浦湾に停泊している。とても威圧感があるが、抗議行動が行われているから、台船に砂がいっぱいつまれることはない」「市長は住民の暮らしを守ろうとせず、基地問題に関してまともな意見書を出そうとしない」そのような市長に対して市民本位の市政を取り戻すために奮闘されていることが伝わりました。

民主主義、住民自治の視点から基地問題を語られた東恩納さん。基地は防衛のため、と語られるや、利権まみれで膨大な税金が使われ、基地建設が強行されている」と。

そのお話に「東恩納さんが、市長を追い詰めて行く様子がわかり、よかったです。私たちも向日市のように、辺野古新基地建設反対の決議を上げていけたらと思いました」「あらためて辺野古の基地をつくらせない取り組みを具体的に行っていかなければと思いました」などの感想をいただきました、

自分事として受け止めて、取り組んでいきたいと思います。

連帯メッセージがつまったバナーを作成

全交京都 石田隆子

6/3(木)東京(神奈川)集会

奥間 政則さん(沖縄ドローン・プロジェクト)

6月3日の東京(神奈川)集会は、緊急事態宣言延長のため会場を横浜市の鶴見駅前ホールに移して開催された。オンラインを含め参加者は計157人。

ZENKOの河辺友洋さんが、世界中に呼びかけるZHAP賛同運動と朝鮮戦争を終わらせる世界1億人署名運動をアピール。沖縄ドローンプロジェクト奥間政則さんもZHAP呼びかけ人として協力を訴えた。

地域からの報告と活動方針では、ZENKO東京南部地域が「品川区にPCR検査拡充を2度要請したが、ゼロ回答」と憤る。横浜パレードを成功させた「平和と民主主義をともにつくる会・かながわ」の若いメンバーの発言を受け、同会・青島まさはるさんは「横浜市長選挙でカジノ反対候補の当選を」と強調。絵描きの山内若菜さんも平和への思いを込めた地元での個展「はじまりのはじまり in 藤沢」(6/15~6/16)を紹介した。若者の力が発揮された集会となった。

奥間政則さん 講演概要

ZHAPには技術屋として分かりやすくDSA(アメリカ民主主義的社会主義者)に説明するために入った。辺野古には弾薬庫、高さ制限、軟弱地盤・汚染水(濁り水)とホープスポットの環境問題が、本部(もとぶ)町塩川港ではダンプ積み込みから自走式コンベアーで運搬船に直接積み込む埋め立て加速を県行政が承認してしまった問題がある。

南部の土砂採石場は、ドローンで見ると虫食い状の白い部分が20か所。北部の安和(あわ)鉱山は山が切り崩され、誰もが分かるが、南部は山らしい山がなく、深さ30mくらいまで掘り下げている。道からは屏風(びょうぶ)みたいな形しか見えない。ドローンを飛ばしたら、反対側にも採石場。多くの人が自然破壊に気付いていない。

塩川港でドローンを飛ばすと警察が囲み「お宅は許可とってますか」、辺野古で飛ばすと名護署警備課が弾圧。「公共工事に不正があってはならない」と闘う。

政府は「ドローン規制法」で、自衛隊基地などの周囲約300m上空のドローン飛行を原則禁止。昨年8月、シュワブ(辺野古)・ハンセン・嘉手納・普天間・瑞慶覧(ずけらん)の在沖米軍5基地も適用施設に指定した。違反に懲役1年・罰金50万円の刑事罰が科される。

次にきたのが「重要土地調査規制法案」だ。「機能を阻害する行為」として命令し、従わないと懲役2年・罰金200万円。宜野湾や伊江島はほとんど対象地域になり、反対運動はすべて対象になる。廃案にしなければならない。

6/4(金)兵庫集会

楚南 有香子さん(てぃだぬふぁ 島の子の平和な未来をつくる会)

兵庫は3月の「沖縄スパイ戦史」西宮上映会での「軍隊は住民を守らない」を教訓に軍事化が強行される宮古島の集会を呼びかけ、50名近くの参加で有意義な集会となりました。

6月2日に弾薬搬入が強行される中、楚南さんのてぃだぬふあの会をはじめ宮古島の市民連絡会の皆さんの「住民の命や暮らしを守る」をベースに新市長に何度も要請するなど緊迫した中でも粘り強い闘いの継続に感服しました。

「関西でほとんど報道されていません。FBなどで少しでも広げていきたいです。ミサイル弾薬の搬入絶対に止めたい。」
「沖縄、宮古の闘いと連帯して西宮でも宣伝活動を毎日続けています。闘い続ければめざす社会ができると確信しています。」
「基地が作られて終わりでなく、戦争をさせない闘いの意義がよくわかった。西宮のコロナ対応のひどさにあきらめずに変えていくことが必要と思った。」

楚南さんの講演の文章化も完成。「子どもたちの未来に基地はいらない!」を兵庫の地でもさらに広げていきたいです。

6/5(土)北海道集会

儀保 昇さん(ヘリパッドいらない住民の会)

6月5日北海道集会は、緊急事態宣言の影響で会場使用ができず、オンライン配信のみで行われた。

ヘリパッドいらない住民の会の儀保昇さんが、東村高江での闘いを報告された。もともと少なかった高江に関するメディア報道は、米軍ヘリパッド建設強行後途絶えたが、報告の中で上映されたYouTube配信企画「ありがとうやんばる」の動画と併せ、返還された米軍北部訓練場跡地で自衛隊配備に向けた動きが着々と進む実態が明らかにされた。

現地では、米軍関係者にも自分たちのメッセージが伝わるよう、英語のプラカードを掲げ、シュプレヒコールも英語で行うなど工夫を凝らした座り込み行動が続いている。「メッセージは米軍関係者に伝わっていますか」との視聴者からの質問に儀保さんは「伝わっています」と明快だ。

現地の米軍廃棄物に関する質問も出た。地元で有機農業を続ける儀保さんにとって基地は命を奪い生活を直接破壊するものだ。

ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)北海道からは、福島原発事故後10年の情勢と課題とともに、寿都町、神恵内村で2020年に浮上した核のごみ問題に関する報告があった。菅政権が4月に表明した福島原発の汚染水海洋放出決定と、北海道で進む核ごみ受け入れの動きは、ともに国が「今だけ、カネだけ」で推進してきた原発の後始末だ。道外では知られていなかった核ごみ反対の闘いが、署名、住民投票請求、選挙などあらゆる手段で続いていることも報告された。

6/6(日)大阪集会

連帯する人びとがいるから現場は闘える

カン・ヒョンウクさん(円仏教星州聖地守護非常対策委員会教務)

最終日となった大阪集会には、韓国からサードミサイル(終末高高度迎撃ミサイル)基地建設の現地ソソンリで闘うカン・ヒョンウクさんがオンライン参加した。他の会場で放映された動画の制作者でもある。

「いま現地の人々は大変な痛みを受けている」。カンさんは、文在寅(ムンジェイン)政権による村民弾圧の実態に触れた。21年に入り9回以上、5月は週2回、1000人以上の警察官が動員されている。「銃声がないだけで、戦争状態」と表現する。

サードミサイルは日本に設置されたレーダーなどと統合され、米軍の対中国戦略に位置づけられる。攻撃力を高める改良を加え、環境影響評価も行わない違法な工事が強行されている。韓国政府は「官民共生協議会」をつくり補償による懐柔をはかろうとしている。だが、住民は基地撤去の要求を譲らない。「厳しい弾圧に耐え、笑顔で闘い続けられるのは、みなさんのような連帯する人びとがいるからです」と結んだ。

県の”不承認”を支える

北上田 毅さん(沖縄平和市民連絡会)

沖縄からは沖縄平和市民連絡会の北上田毅さんが3つのポイントを語った。

1つ目は、沖縄防衛局の設計変更不承認をめぐる問題だ。県の定めた標準処理期間からすれば、知事の判断は6月中旬。これを過ぎると国が「是正指示」を出す可能性がある。「不承認となることは間違いないが、その後の闘いを見据え、コロナ緊急事態宣言終了後まで知事判断を延期するよう求めている」。不承認を支える運動として、県民への説明会開催や防衛局への抗議行動が計画されている。

2つ目は工事の現状。今年度発注された工事には、美謝川付替工事、中仕切護岸(N2)新設工事、埋立追加工事がある。N2護岸工事に必要なサンゴ移植許可はまだ出ていない。美謝川付け替えは名護市条例による協議が必要だが、渡具知武豊市長は協議不要と回答。6月市議会で厳しく問われることになる。さらに、設計変更承認を得なければできない軟弱地盤工事などの費用214億円。1日当たり2600万円もの警備費が予算化。政府の強行姿勢が見て取れる。

3つ目は南部地区からの遺骨混じり土砂の調達問題だ。国は設計変更で埋立土砂の調達先をすべて県内とし、南部地区を加えた。森林伐採が始まった熊野鉱山(糸満市)は、自然公園法や森林法など6つの法、条例に違反する行為だった。県に対し、違法行為に対する毅然とした対応を求めるとともに、遺骨混じり土砂を掘削させない条例づくりを求めている。国土交通大臣による県の埋立承認撤回をめぐる住民訴訟も起こされている。「緊急事態宣言解除後、計画される現場での闘いに協力してほしい」

大阪府下では、コロナ対策の強化や個人情報の保護を求め茨木市、枚方市、大阪市に対する要請行動が粘り強く取り組まれている。遺骨で基地を作るなとアクションを呼びかける若者の訴えもあった。

重要土地規制法絶対反対!プラカードかかげ決意を固めた