『原子力空母カール・ビンソン（ニミッツ級）』
排水量約１０万トン、全長約３３０ｍ（東京タワーと同じ）、速度３０ノット（１２００キロを一日で移動）、艦載機約７１機（３分間に１機の間隔で発艦）。５００キロ先の敵に３日間で２千トンの弾薬を投入する能力を持ち、大都市、軍事要塞を壊滅させる力があるといわれている。
●トランプ・安倍による先制攻撃の準備
４月１３日、米ＮＢＣテレビは朝鮮民主主義人民共和国（朝鮮）が６回目の核実験を強行しようとした場合、米軍は先制攻撃を行うための準備に入ったと報じました。
既に米海軍は朝鮮の核実験施設がある豊渓里（プンゲリ）から約４８０キロの近海に、巡航ミサイル「トマホーク」を搭載する米駆逐艦２隻が展開。グアム基地では重爆撃機の出撃態勢を整えています。また在日米軍も動き出し、沖縄では１１日、ＳＦＡＬＳなど米海軍特殊部隊の支援船「Ｃ・チャンピオン」が那覇軍港から出航。１２日、嘉手納基地では航空戦力の一斉出撃訓練が実施されました。神奈川県横須賀基地からも、イージス艦が出航。これに１５から１６日中にも、空母「カール・ビンソン」を中心とした空母打撃群（複数の護衛艦・潜水艦・補給艦など）が朝鮮近海に入り、約1ヶ月ほど留まるといわれています。
緊張は極度に高まっています。トランプ政権は、対朝鮮政策について見直しを進め『最大限の圧力と関与』を基本方針とすることを決め、軍事的選択肢を検討していることを明らかにしました。
この状況下で安倍政権は「カール・ビンソン」と海上自衛隊艦艇との共同訓練を実施すると発表しました。これまでの訓練とは全く質を異にした極めて危険なものです。自衛隊は「戦争法」の成立で、武力衝突やその可能性があれば、集団的自衛権を行使できます。安倍政権は、トランプ大統領とともに先制攻撃を排除せず軍事的な挑発を強めているのです。
●国際法違反・侵略行為のシリア攻撃と、朝鮮への脅し
４月７日、トランプ大統領は米中首脳会談のさなか、突如としてシリアに対して巡航ミサイル５９発を撃ち込む軍事攻撃を行いました。シリア国営通信は周辺住民の情報として、ミサイルが民家に着弾し、子ども４人を含む民間人９人が死亡したと伝えています。シリア・アサド政権が化学兵器を使用したと主張するのであれば、まず徹底調査し事実を究明することが必要なのです。国連安全保障理事会の決議もなく、米国への攻撃が行われたわけでもありません。米軍のシリア攻撃は明らかに国際法違反の侵略行為であり、断固糾弾しなければなりません。
ところが安倍首相は、この無法な先制攻撃について早々に「米国政府の決意を日本政府は支持する」との立場を表明しました。「東アジアでも大量破壊兵器の脅威は深刻さを増している。その中で、国際秩序の維持と、同盟国と世界の平和と安全に対するトランプ大統領の強いコミットメントを日本は高く評価する」と語ったのです。シリア攻撃は、中国が核・ミサイル開発を繰り返す朝鮮への制裁を強化しなければ、米国単独でも朝鮮への先制攻撃を行うことを示唆する政治的な意図をもって行われました。安倍首相は、森友学園疑惑や、南スーダン問題などで窮地に立たされているなかで、朝鮮によるミサイル発射や核実験準備などの挑発行為を口実に、東アジアの緊張激化と先制攻撃を加えることを本気で狙い、朝鮮との軍事緊張を高めることを意図して支持発言を行ったのです。
自民党「弾道ミサイル防衛に関する検討チーム」は、日本も巡航ミサイルを保有し敵のミサイル発射基地を攻撃する「敵基地攻撃能力」を持つべきであるとの提言をまとめました。安倍政権は、集団的自衛権行使、共謀罪成立、辺野古基地建設、南西諸島への自衛隊配備強化のチャンスをうかがっているのです。
●安倍政権の戦争国家作りと排外主義が生みだした『森友学園疑惑』
『大人の人たちは、日本が他の国に負けぬよう、尖閣列島・竹島・北方領土を守り、日本を悪者として扱っている中国・韓国が心を改め、歴史で嘘を教えないよう、お願いいたします。安倍首相がんばれ。安保法制、国会通過よかったです』…森友学園・塚本幼稚園運動会での園児たちによる衝撃的な『選手宣誓』。園児たちは、毎日『教育勅語』を唱和し、軍歌を歌い自衛隊の式典にも参加させられてきました。「国家のために命を差し出せ」と教え込む森友学園。安倍首相は、問題発覚の前、『教育勅語』を幼い園児らに唱和させる森友学園の「教育」方針を公然と支持していました。
３月３１日、安倍内閣は、戦後国会で排除・失効を決議した『教育勅語』について「教材として用いることを否定せず」との答弁書を閣議決定。菅官房長官は、小学校で正式教科となる『道徳』の教材に『教育勅語』を使用することを排除せずとしました。また中学校・保健体育の選択履修に「銃剣道」が明記。森友学園「教育」の全国展開の始まりです。
安倍政権は今、本気で戦争ができる国づくりを進めようとしています。「マイナンバー関連法」「国家安全保障会議設法」「特定秘密保護法」「改悪・盗聴法」「戦争法（安保法制）」など、すべて戦争を実行するために必要な法律です。５兆３千億円もの史上最大の軍事費を組み、沖縄新基地建設と南西諸島自衛隊配備など軍事増強を進め、武力行使を可能とする自衛隊を南スーダンに送りました。わずか６年の間に市民の合意など無関係に進められてきたのです。
しかし軍事強化と法律整備を行っても、実際に“人殺し”ができる戦争を行うためには、戦争を遂行する人間をつくる「教育」が必要です。安倍政権は、子どもたちに「日の丸・君が代」を強制し、歴史や領土問題で政府の立場を教え込み、排外主義を賛美して「愛国心」で洗脳できる森友学園のような学校を必要としたのです。
●テロ対策はウソっぱち！アベ政治批判の口封じと市民弾圧の『共謀罪法』成立阻止へ
安倍内閣は、今国会で共謀罪法案を成立させようと狙っています。共謀罪法は、「東京オリンピックのテロ対策」と「国際的組織犯罪防止条約の批准・締結」のために必要と宣伝され、「テロ等準備罪」と名前をごまかされています。しかし共謀罪法は、条約批准の必要条件ではありません。日弁連は、「共謀罪がなくとも条約の締結は可能だ」としています。日本は既に、テロ防止に関する１３もの国際条約を締結しています（ハイジャック防止・人質行為防止・爆弾テロ防止・テロ資金供与防止・核テロリズム防止など）。同時に、銃刀法・テロ行為に対する処罰規定・重大犯罪予備罪など国内法も整備されています。平岡元法務大臣は、「十分に国際的な犯罪防止条約に協力できる条件が整っている」と述べています。「テロ対策」はウソっぱちです。また、共謀罪の対象は「テロリズム集団」限定でなく、すべての市民を取り締まり・弾圧の対象としています。「準備行為」について「法律で処罰範囲を決めなくても警察の判断で逮捕できる。普通の団体でも性質が変われば対象」ということが国会答弁で明らかになりました。国家による監視が進み、携帯電話の盗聴やメール・ラインも常に警察が見放題。戦前のように相互監視と密告社会がつくられることになります。
安倍政権は、新自由主義の徹底で更なる格差と貧困を市民に強要し、グローバル資本の利益を追及する政権です。全分野へと広がる市民の怒りの声を、排外主義と戦争路線で乗り切り、政権に対する批判と運動を弾圧・委縮させるために共謀罪の成立を狙っているのです。戦争国家づくりと森友学園問題、そして共謀罪はつながっています。戦争国家を支える市民弾圧法、密告と監視社会を生み出す共謀罪法の成立を止めましょう。
●いのちの大切さ・重さを語り合おう! ４・２９『沖縄・南西諸島を標的にするな』集会にご参加ください!
▸トランプ大統領や安倍首相に決定的に欠けていることは、武力行使が多くの市民の生命、生活を根本から破壊するという認識です。イラク・アフガニスタン・南スーダン・シリア…「大量破壊兵器の保持」「対テロ戦争」など理由をつけても、武力行使のもと奪われ続けているのは市民の命です。
▸トランプも安倍も、最大規模の軍事行動で意識的に緊張を高め、朝鮮から攻撃を仕掛けさせるような挑発を繰り返していますが誤りです。朝鮮は日本のお隣の国です。仲良くしなければなりません。一旦、戦争になれば、朝鮮、韓国、そして日本も戦場となり多くの命が奪われます。いま必要なことは、戦争ではなく対話・外交努力によって、緊張緩和と平和への道を選択することです。私たち市民が声をあげ行動して、命を軽んずる安倍政権の戦争路線を転換させなければなりません。
▸４月２９日（土）、沖縄宮古市から石嶺かおりさんと楚南有香子さんが大阪に来られます。政府は自衛隊ミサイル部隊を石垣、宮古、沖縄本島、奄美に配備し、南西諸島を軍事要塞化しようとしています。軍事基地は、攻撃の対象・『標的の島』となります。お二人のお話を聞き語り合いましょう。
２０１７ＺＥＮＫＯを成功させよう！
沖縄・南西諸島を標的にするな
～宮古島市議・石嶺かおりさん楚南有香子さんを囲んで～
▸４月２９日（土）18:30～21:00
▸天王寺区民センター
（地下鉄谷町線『四天王寺夕陽ケ丘』駅下車）
※前売り５００円・当日７００円
・石嶺 かおりさん
今年１月、宮古島市議会議員補欠選挙で当選。陸自の宮古島配備に反対するママたちを中心に「てぃだぬふぁあ 島の子の平和な未来をつくる会」共同代表。５歳と３歳の男の子、１歳の女の子の母。
・楚南 有香子さん
「てぃだぬふぁあ 島の子の平和な未来をつくる会」共同代表。石嶺さん後援会事務局長。兼業農家・学童職員。
チラシは下記よりダウンロードできます。
