◆2024年11月6日(水)、ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)は、イスラエル協力企業や日本政府などに対する一斉要請・抗議行動に取り組んだ。
◆衆議院選挙中もイスラエル・ネタニヤフ政権によるパレスチナ市民への攻撃が続けられていた。10月28日、イスラエル議会はガザ地区などでパレスチナ難民支援にあたるUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の活動を禁止する法案を可決。壊滅的なガザ地区の人道状況だけでなくパレスチナの何十万人もの人々から避難・食料・医療・教育など必要不可欠な支援を奪い、極めて深刻な影響をもたらすことになる。
◆この行動直前の11月4日、イスラエル軍はガザ各地を空爆し30人を超える市民を殺した。ガザ北部ベイトラヒヤで20人、中部ザワイダで4人、ガザ市と中部デイル・アル・バラフで2回の空爆により6人である。昨年10月以降、少なくとも4万2603人が死亡し、9万9795人が負傷。WHO(国連・世界保健機関)は、傷病者100人をUAE(アラブ首長国連邦)に退避させ、またその待機者が約1万2千人も存在すると発表した。
◆罪なき市民の命が奪い続けられている。虐殺を続けるイスラエル・ネタニヤフ政権、これを支援する米国・日本政府やイスラエル軍需産業と手を組み金儲けを続ける企業に対し、抗議を行なうことは喫緊の闘いであった。10月、選挙戦で取り組めなかったが、〝虐殺は止まっていない〟〝パレスチナ連帯行動を継続することが必ず力になる〟と、短期間で準備し、一斉要請・抗議行動に取り組んだ。
◆イスラエル軍需産業と手を結び、資本投下している企業本社への首都圏での一斉行動は、初めてのことである。多くの市民が注目した。海外の観光客も抗議行動を撮影した。警視庁はZENKOホームページを確認し、行動規制について回った。各企業は、同日一斉行動であることを認識した。社会的に大きな意義がある行動となった。
(担当:山川よしやす)
行動概要
▸午前中…議員要請行動([参議院]福島みずほ議員・大椿ゆうこ議員・辻元きよみ議員・山下芳生議員[衆議院]大石あきこ議員・たつみコータロー議員)。不在や衆院選直後で議員室がまだ決まっていない議員もいた。
▸12:00~…JR東京駅前スタート集会・抗議情宣行動
▸12:30~…要請・抗議行動 13企業・2大使館(イスラエル大使館・アメリカ大使館)
株式会社村田製作所、株式会社SUBARU、ニデック株式会社東京オフィス、株式会社三菱UFJ銀行、MUFG(三菱UFJ・フィナンシャルグループ)、三菱電機株式会社、三菱重工業株式会社、株式会社IHI、川崎重工業株式会社、株式会社東芝、日本電気株式会社(NEC)、イスラエル大使館、イギリス・BAE. SYSTEMS. JAPAN、米国大使館、イタリア・レオナルド日本支社
▸17:30~…日本政府抗議・国会前集会 大椿ゆうこ参議院議員、土屋のりこ足立区議会議員から連帯のあいさつ
参加者
約34人。ZENKOメンバー以外に「SNSなどで知った」と長野県、静岡県、埼玉県などから参加。「何かしないといけないと思っていた」「こういう取り組みを準備してくださって本当に嬉しい」など励ましを頂いた。
東京駅で元気よくスタート「Free Free Palestine!」
「日本政府は虐殺に加担するな!殺すな!Free Free Gaza!Free Free Palestine!イスラエルを止めなければなりません」のコールと訴えに、東京駅前広場でくつろぐ人、観光客、昼食休憩に出ている多くの人々が足を止め注目。撮影する人もたくさん。思い切った行動で、元気よくスタート!!
要請・抗議行動
村田製作所
アポ電話5回、ずっと繋がらず。粘りに粘ってやっとつながり訪問することを伝えたが、当日は警備員が「聞いていない。もう一度電話せよ」と。再度、電話するがまた不通。社会の公器と云われる会社の常識を疑う。
「イスラエル企業への出資をするな!」と、皆で抗議の声をあげた。
株式会社SUBARU
事前アポ電話では「受け取り含め当日対応」としていたのに拒否。
抗議行動に、社屋1階ガラス張りの「ショールーム」と「カフェ」のお客さんが注目。
ニデック株式会社
本社は京都にある。ニデックはeVTOL(電動垂直離着陸航空機)を開発製造するイスラエル企業AIR VEVsモーターを共同開発。京都では毎週社前で抗議行動を継続して取り組んできた。社員がチラシを受け取るなど、粘り強い取り組み。
この日も京都本社前で早朝行動を行い、その足で東京支社へ。会社の門は閉ざしたまま。ハンドマイクで抗議を行うと、通行者がチラシを受け取ってくれた。
東京行動は、京都本社に必ず連絡が入る。東京のメンバーが案内に立ち電車を乗り継ぎ。スムーズに村田製作所、SUBARU、ニデックを時間内に訪問することができた。
株式会社三菱UFJ銀行、MUFG
三菱UFJは、立替え工事中。三菱信託にある本店に申し入れ。10分ほど待たされ総務部から「おおの」氏を含め4人が対応。「要請書はうけとれない」と。担当者と土屋足立区議が名刺を渡す。区議会議員だと伝えると少し驚いた表情に。「三菱UFJ銀行はイスラエル企業と投資ファンドを設立している。虐殺を支えることになるので止めるよう検討を。こういった産業は世界的にも批判があり成り立たない」など話した。
「要請書は受け取れないしコメントする立場にもない」との対応に「ここに来たこと、話した内容は社内で伝えてほしい」と伝えると「わかりました」と。同時に社前でチラシ配布。そこにも、「おおの」氏は降りてきて見ていた。 要請書はうけとらなかったが、総務が対応した。
三菱電機株式会社
受付に行くとアポ取り電話で対応した「おくの」氏から言われてきたと、アルソック警備員が対応。全員がビル内に入った。
まず「電話した時に回答しないのが回答と言うのは、おかしい。税金も多額に使われている、市民に説明しなければならない」と言い、続けて「イタリア、イギリスとの次期戦闘機共同開発を、止めてほしい」と伝える。他、参加者数名が発言。聞こえにくい人には近づいて聞きに来るなどやたら丁寧に聞いていた。
要請書は「おくのに渡す」と受け取った。「次はどちらに?」と聞かれたが、答えず出ていく際に振り向くと公安警察と警備員が話し合っていた。
三菱重工株式会社
こちらもロビーで警備員が対応。全員中に入った。要請文を手渡し、子どもたちがガザで虐殺されている、イスラエルに武器輸出しているイタリア、イギリス企業と共同開発やめてほしい、など訴えた。
街宣などもするのかと聞かれたが時間なく今日はしないとこたえた。なかにいた公安警察が、写真を撮っていたらしく抗議した。
株式会社IHI
IHI本社ビル前に警備員4~5人で待ち構えていた。「どちらに行かれますか」と向こうから聞いてきた。「ビルの写真を撮るな」と言ってきたり、 ビル内への立ち入りを拒否。
警備員に10分程の説明を行い、要請書を渡し受け取らせた。 同時にハンドマイクによる抗議街宣とチラシ配布を行った。
▸事前にアポ電話を行ったこと、ホームページに掲載したことで、三菱UFJ銀行以外は、来ることを想定し警備員体制を敷いていた。また公安警察が付いて来ていた。三菱UFJ銀行は社員対応、他は警備員だが要請書は受け取った。関西で毎月要請行動をしている成果はあったのではないか。本社の対応者の名前も現場でも確認できた。三菱電機は「おくの」、三菱重工は坂本。社前行動は時間もなく、三菱電機と三菱重工はできなかった。次回は工夫がいる。東京足立区や神奈川のメンバーの案内もあり時間内に回れた。
株式会社東芝
東芝は、F-35戦闘機のレーダーなどの電子機器の開発に参入、イスラエルへの軍事技術協力に結びつく。
敷地内の正面玄関前で、警備員でしたが、要請書を受け取らせることができた。
その場でシュプレヒコールを行い、止められることなく最後まで要請と抗議を行った。
川崎重工業株式会社
川崎重工は、イスラエル軍需企業IAIと輸入代理店契約を結んでいる。これを破棄すること。イギリス軍事企業・BAEシステムズ社、イタリア・レオナルド社との次期戦闘機の共同開発をやめることなど求めた。
「担当者は留守なので違う日に」ということであったが、受付の方に要請書を渡し、受け取らせることができた。本社ビルの前でシュプレヒコールを行い抗議。
日本電気株式会社(NEC)
NECでは、本社総務課の方が正面玄関前まで出向いていて、要請書を直接受け取らせた。要請書を読み上げながら手渡したあと、参加者一人ひとりが自分の思いを直接伝えた。その後、ビル前の歩道でシュプレヒコール。
どこも警備員には丁寧に対応することが伝達されていたらしく、表面的には丁寧な態度で、警備員が私たちをビルの正面まで案内してくれた。イスラエル協力企業に一斉要請したことはインパクトある行動になったと思う。
イスラエル大使館(近くで)
「要請書を届ける。通行させろ」と要求するも警官が立ち塞がる。「一般道を歩く権利を侵害する法的根拠は何か?」と問うと「根拠はない。お願いをしている」と。「イスラエルから警備を依頼されているのか?」と問えば「されていない」と。
私たちの税金を使い、国際法違反の虐殺を繰り返すイスラエル政府を衛るなど許されることではない!と抗議。
各企業行動から次々と合流した20人を超える参加者と一緒に「虐殺ヤメロ!今すぐ停戦!Free Free GAZA!Free Free PALESTINE!Stop GAZA Genocide!Cease Fire Now!」など、コール。数人が、自らの思いを短くスピーチ。
代表してイスラエル大使館前まで行ってきましたが、インターフォンを押そうとして、警官に制止されてしまう。
パレスチナ市民を閉じ込め、逃げ場を奪い、そして殺し続けるイスラエル・ネタニヤフの残虐を、何としても止めないといけないと強く決意した。11月6日、この行動は世界と、パレスチナと繋がっている。小さくとも、無数に広がる国際連帯の力のひとつだ。
イギリス BAE. SYSTEMS. JAPAN
イギリス軍事企業BAEシステムズ社は、イスラエルにF-35戦闘機の部品などを供給。三菱重工、IHIなどとパートナーシップを締結。四半世紀以上にわたり防衛省に最先端の防衛技術や能力を提供してきた。会社は赤坂1丁目、首相官邸に近い巨大ビルにオフィスを持つ。「要請書は受け取らない」と回答したため、屋外での抗議行動。
アメリカ大使館
アメリカ大使館へ行こうとすると多くの警官がこれを阻む。イスラエル大使館と同様に法的根拠のない規制。
大使館ビルを遠くに見ながら「軍事援助を止めろ!Stop Military Aid to Israel!ガザ虐殺の共犯者! Complicit in Genocide」などコールして抗議。抗議行動が終ると警官が、「次はレオナルドですね。ホームページで確かめました」など、声をかけながら付いてくる。「私たちは正当な抗議をしている。誰を護衛しているのか !」 怒りが湧く。
レオナルド日本支社
イタリア軍事企業レオナルド社は、イスラエルにF-35戦闘機の部品などを供給。海上自衛隊艦載砲も1990年以来継続して納品。次期戦闘機共同開発をBAE、三菱重工などと共に進める。また米国子会社であるレオナルドDRSとイスラエル軍需企業RADAと合併。
アポ電話を何度も入れやっと繋がると「日本支社は軍事部門はやっていない。本社のあるイタリアに行ってくれ!要請書は受け取らない!」とこちらを威嚇する口調に。
社屋は霞が関・文部科学省に隣接す巨大ビル内。BAE同様、政府中枢に近い場所に外国軍需企業は立地している。イギリス・BAE、イタリア・レオナルド両社への要請はZENKOとして初めての行動となった。
陽が落ちて暗く寒い中、最後の全体アクションとして力強く抗議のシュプレヒコールを行った。
国会前の日本政府抗議・まとめの集会
一日の行動を終え、3つに分かれた全てのグループメンバーが衆議院第2議員会館前に勢ぞろい。
議員会館の多くの部屋に明かりが灯る中、拡声器を使い国会議員に届くよう各企業要請行動の報告や、日本政府に対する抗議のコール。
大椿ゆうこ参議院議員が、長生炭鉱(山口県宇部市)を巡る院内集会を抜け、駆けつけ連帯のあいさつ。
▸朝から晩まで皆で13企業・2大使館への要請行動をやり切った。短い期間で工夫し、3グループコースの実施要項を決め準備した。各担当責任者は要請書を作成し、各企業・大使館に何度も電話してアポ取りに動いた。
10を超える報道関係にも取材要請し、ZENKOホ ームページへのアップやSNS発信を進め、長野県・静岡県・埼玉県などからの参加、新しい出会いをつくり出した。
▸衆議院選挙で動けなかった10・11月、眼前で奪われ続けるパレスチナ市民の命…その現実からZENKOとして東京・首都圏で初めての一斉行動を取り組むことを位置づけ、実行した意義は大きい。
〝パレスチナ連帯〟〝即時停戦〟は、待ったなしの国際反戦運動の最重要課題だ。全国各地域の取り組みを粘り強く継続・発展させよう。行動に参加する新しい仲間は、必ず存在する。繋がり、広げ、大きな世論をつくり出す工夫と努力を、皆で進めよう。
▸11月末からスタートする、2024ZENKOスピーキングツアー(全国9都市開催)を大きく広げ取り組もう。