【防衛省・外務省】「ガザ虐殺やめろ」市民運動の高まりが変化をつくりだした【11.17 ZENKO中央要請行動報告】

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ZENKOは11月17日中央要請行動に取り組みました。そのうち、防衛省・外務省との交渉について報告します。

1.防衛省交渉報告

今回も全国からの参加者8人に対して17人の防衛省職員が出てきて対応したが、答弁は現実を隠蔽する作文が並んだ。

イスラエルのパレスチナ攻撃が続く中での「邦人救出」に自衛隊機を使っていることは現地での戦闘を誘発しかねない。しかし防衛省側は「外務省から要請があったから」と言い訳に終始した。なぜ民間機の使用ではなくて軍用機なのかの明確な理由さえ言えなかった。

日本政府がイスラエルと防衛技術開発の協力・推進をしていることについては「イスラエルは、防衛生産・技術は世界的にも高いから防衛省も導入しようとしている」とその狙いをあけすけに述べ立てた。「イスラエルはその高い技術で作った兵器でガザ・パレスチナの市民を多数殺している。病院を攻撃し赤ん坊の命を奪っている。日本の協力がそれをあおっている」という指摘には、防衛省は「それと防衛技術開発協力は別」と言うだけで、何らの正当性も示せなかった。

沖縄の基地の強化についても、オスプレイが墜落事故を起こし、MQ9も事故を続出させているのに「米軍から詳細な報告を受けてオスプレイの事故が起きないような対策をとっている」「MQ9(無人攻撃機)は安全」と実際の事実とかけ離れた説明に終始した。

琉球弧の各地に配備しているミサイルの弾薬庫の爆発事故の危険性については「安全基準を満たしている」とし、住居のすぐ近くにミサイル弾薬庫を置くことの危険性を隠蔽した。辺野古新基地とも「唯一の解決策」という従来の答弁を並べただけである。

防衛省の答弁は、ミサイル基地や自衛隊配備・日米合同訓練の強化がいかに住民の命を脅かすかを明らかにすることで政府・防衛相を追い詰めていくことができることを証明したとも言えるだろう。

2.外務省交渉(パレスチナ問題)

外務省交渉は中東第1課の職員が対応した。「イスラエルはガザの市民、病院を攻撃し、多数の赤ん坊を殺している。国際人道法違反だと抗議するべきだ」と迫ったが、「法的評価は控えている」とイスラエル軍の人殺しを国際法違反であるとは認めず容認した。

私たちはさらに「これ以上の犠牲を出さないために日本政府・外務省は即時停戦を要求するべきだ」「米国にイスラエルへの軍事支援を止め、即時停戦を要求するように働きかけるべきだ」と要求した。これに対して外務省側は「人道状況の改善を求めて努力している」という答弁に終始して、即時停戦は要求しないという態度だった。

さらに、外務省が防衛省に要請して、「邦人救出」の名目で自衛隊の軍用機をジブチ、ヨルダンに配備していることについても、「チャーター便や民間機や自衛隊などを適宜利用する」と説明するだけで、なぜ民間機ではなく軍用機を使用するのかについての納得できる説明はできなかった。

それでも外務省職員は「国際法に従った人道を守れと要請している」「ガザの人道状況の改善については外務省も心を痛めている」と述べた。今回の答弁は日本政府の公式見解をなぞったものではあったが、言葉の行間から、イスラエル軍による残虐行為に対する憂慮や憤りを感じさせるものだった。

外務省の中東課の職員たちは今回の軍事攻撃が始まった10月以前に何回もガザに行って日本政府の難民支援活動の仕事を担っている。その場所が空爆を受けたり建物ががれきになっている報道を見ている。そのような経過もあったのだろうが、ZENKOのメンバーの発言と要請にも耳を傾けて丁寧な対応をしていた。私たちは「人道状況が憂慮されるからこそ即時停戦を要求してもらいたい」と最後に強調して交渉を終えた。

パレスチナで、イスラエルで、中東で、欧米で、日本で、世界中で、ガザ虐殺やめろ、即時停戦を求める運動が急速に高まり、戦争勢力を追い詰めている。その運動の高まりが今回の交渉の内容にも反映している。もっと闘いを広げれば、日本政府を追い詰め、イスラエル・好戦勢力から即時停戦を勝ち取っていくことが可能であると確信できた。