9月7日(水)の午後2時から沖縄県庁5階の県庁記者クラブで記者会見があり、OEJP(Okinawa Environmental Justice Project、沖縄環境正義プロジェクト)代表の吉川秀樹さんから、米連邦議会議員へ辺野古新基地建設の中止と普天間基地即時閉鎖を求める書簡を送付するキャンペーンの開始が発表されました。この会見場は、昨年5月13日に、ZHAP(ZENKO Henoko Anti-base Project、ZENKO辺野古反基地プロジェクト)の立ち上げを発表したのと同じ場所です。今回の記者会見には、吉川さんの他に、沖縄ドローンプロジェクトの奥間政則さん、SDCC(ジュゴン保護キャンペーンセンター)の蜷川義章さん、そしてZHAP事務局から日南田が参加し、琉球新報と沖縄タイムズの記者さんに取材していただけました。
書簡送付キャンペーンの目的
今回の書簡送付キャンペーンは、玉城デニ―知事による設計変更申請の不承認を受けて、日本政府が軟弱地盤や環境評価に関して不正確な情報を米側に伝えて、あたかも基地建設の完成が見通せるかのような幻想を抱かせながら「辺野古が唯一の解決策」という主張を続けていることについて、事実に即した正確な情報提供により米連邦議会議員に計画の見直しへと声を上げてもらい、米政府に辺野古を断念させるための取り組みです。
書簡の内容
吉川さんは、玉城知事が設計変更申請を不承認とした主に2つの理由(軟弱地盤と環境影響評価)に加えて、活断層の存在や耐震性の不備の問題にも言及しながら、辺野古新基地完成が見通せないことを力説し、さらに普天間基地の閉鎖については、落下物や事故の頻発に加えて直近でも大きな問題となっている米軍基地からのPFOS/PFASなどの有毒物質の漏出問題などにも触れ、日常的に市民が基地被害に直面している現実を詳述しています。
さらに米国防省がいまだに軟弱地盤の問題について公式な評価を明らかにしていない件についても追及し、2020年6月に下院の軍事委員会の即応管理支援小委員会(Readiness and Management Support Subcommittee)が提案した、国防省が軟弱地盤の問題について調査することを求める法案が2021年度の米国国防権限法に組み込まれなかった点について、遺憾を表明し、早急に軟弱地盤に対する評価を明らかにするよう求めています。
国内外から87もの賛同団体
この書簡は本体がA4版14ページにもなる論文で、それ自体が辺野古を止める闘いの重要な学習資料にもなる労作です。その内容に賛同する団体名を列記して、上下両院の軍事委員会の32人の議員に送付されました。記者会見の時点で国内から52、海外から35、計87団体が賛同を表明しました。DSA国際委員会も早速討議にかけ、投票により賛同を決定すると共に、他の共闘団体にも賛同を呼び掛ける活動を開始しています。CODE PINKやWorld BYOND War などはDSAからの働きかけによるものです。
この書簡は米国内の左派系調査報道メディアThe Interceptにも取り上げられるなど、早速反響を呼んでいます。今後も継続して賛同を広げていくとともに、国際連帯の力で玉城デニ―知事の不承認を大きく支え、辺野古を止めていきましょう!
※書簡の全文(日英両語)は、以下のOEJPブログに掲載されています。ご参照を。
http://okinawaejp.blogspot.com/
(ZHAP事務局:日南田成志)