京都府・市と交渉
平和と民主主義をめざす全国交歓会(ZENKO)・京都は1月27日、京都府と京都市に対し「緊急事態宣言と罰則付与に反対し、PCR検査の大幅拡大と医療体制の充実を求める」要請行動を行いました。
京都府の危機管理総務課は参事と主事が応対。まず「罰則は知事が求めているからと菅首相が答弁しているが、知事は罰則を求めたのか」と追及しました。参事は「特措法では要請しかできないので一定の措置を知事会として求めた。しかし個人的には罰則まで求めたとは思っていない」と回答。さらに今年度予算で政府が病院の統廃合を進めようとしていることに対して、参事は「病院の統廃合が発表されたとき、京都府知事は抗議したはず。今は医師も看護師も足りていない」と問題点を認めました。今度の政府交渉にも、京都府との継続した交渉にも生かせる回答を引き出せたと感じました。
健康福祉対策課には、府が「感染拡大している地域で高齢者や障がい者施設の全職員にPCR検査を実施する」と1月26日に発表したことをふまえ、他の自治体(広島など)での大規模な社会的検査の取り組み事例を示し、より対象を広げ積極的に実施すべきだと強く要請しました。
京都市の防災危機管理室と医療衛生企画課にも同じ要請をしましたが、「府が主体」「自分は答えられない」と消極的でした。住民の命と生活を守る気概も感じられず情けなくなりました。市民の怒りや切羽詰まった思いをもっとぶつけて京都市を変えなければならないと強く感じました。
(ZENKO京都・佐藤和利)
要請書(2020年12月23日)
2020年12月23日
京都府知事 西脇 隆俊 様
平和と民主主義をめざす全国交歓会・京都(ZENKO京都)
〒612-0066 京都市伏見区桃山羽柴長吉中町55-1-105
電話 075-622-6241
この要請についての担当者 杉谷伸夫 電話 090-8384-5984
要 請 書
コロナ感染から府民を守るための日頃の取り組みに敬意を表します。
さて、京都府での新規コロナ感染者は12月に入って急増し、12月16日のPCR検査陽性者は過去最高の97人となりました。
こうした中で医療、介護施設等で働く者、そしてその家族にとって、自らが感染することは入院・入所者の生命にかかわる問題であり、感染拡大を防ぐことが絶対に必要です。
府民の命と健康を守るための最大のカギとなるのは、検査と医療を抜本的に拡充することだと考えています。
無症状の感染者を把握・保護することを含めた積極的な検査としてPCR検査を拡大し、また十分な医療が受けられるよう医療機関の整備拡充が緊急に必要だと考えます。
9月15日付けの厚生労働省「検査体制の拡充に向けた指針」では、「・・・感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域においては、その期間、医療機関、高齢者施設等に勤務する者、入院・入所者全員を対象に、いわば一斉・定期的な検査の実施を行うようお願いしたい。」とあり、11月16日には、積極的な対応を促す同省事務連絡が、さらに11月19日には「陽性が判明した場合には、当該施設の入所者及び従事者の全員に対して原則として検査を実施すること。」と明確に示した事務連絡が発出されています。そして11月20日の事務連絡では「発熱患者等が医療機関を受診した際に、他の疾患の疑いが強い場合を除き、積極的にCOVID-19の検査を実施」するよう求めています。
この趣旨から言えば、京都府はまさに感染者が多数発生している地域であり、医療機関および高齢者施設等で必要な対策を当然実施されるべきと考えます。つきましては、以下の項目を要請いたします。
要請項目
1.国の指針および事務連絡の徹底について
9月15日の指針並びに11月16日、11月19日及び11月20日の事務連絡について、京都府内の医療機関及び高齢者施設に対して、改めて徹底してください。
(質問1)現在、高齢者施設等で陽性者が出た場合、入所者・従事者全員の検査は実施されていますか。
(質問2)京都府の「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(介護分)」に示されている「支援の対象となる経費」に、「高齢者施設等において必要性があるものと判断し、自費で検査を実施した場合の検査費用」を追加し、高齢者施設等へ周知されていますか。
(質問3)「発熱患者等が医療機関を受診した際に、他の疾患の疑いが強い場合を除き、積極的にCOVID-19 の検査を実施する」との厚労省事務連絡は、どのようにして医療機関に周知されているのでしょうか。
2.介護・障がい者施設の職員に対する定期的なPCR検査の実施について
東京都世田谷区や同千代田区、神戸市などで先行的に開始されている介護・障がい入所施設等の職員に対する定期的なPCR検査を京都府でも実施してください。
3.府民のPCR検査への費用補助を市町村と連携しておこなうことについて
①高齢者施設等で自主的にPCR検査をした場合、11月19日厚生労働省事務連絡にある国の費用補助(新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金)の枠外で、京都府として、または府内市町村と連携して、独自に補助をしてください。
②民間の検査機関での検査能力が拡大していますが、自主的に検査を行った場合、まだ相当高額な負担になります。検査を必要とする府民にたいして、民間検査機関も活用して府民が無料または低額でPCR検査を受けられるように、京都府として、または府内市町村と連携して、独自に補助をしてください。
4.医療機関・医療従事者への支援について
医療機関が人的にも財政的にも困難な状況に直面していると報道されています。医療機関と医療従事者への支援は行き届いているのでしょうか。京都府として早急な支援をお願いします。
以上