7月24日〜25日、「コロナ危機を利用した差別・分断・格差拡大を許さない! オリンピック中止! 国際連帯の力で平和で豊かな社会をつくろう! 2021 ZENKO in 大阪」を開催しました。大阪のメイン会場、東京・大田区などのサブ会場、そしてオンラインでの参加など、前日のワンデーアクションも含めて延べ1100人にご参加頂きました。国内外のゲストを交えた活発な討論の中で、新自由主義政策を転換させる決議が採択されました。
7/23(金)
ワンデーアクション
前日23日は東京オリンピック開会式にあわせ東京、大阪で抗議行動に取り組み、オリンピック・パラリンピックの中止を訴えました。
7/24(土)
メイン集会
メイン集会では平和と民主主義をめざす多様な市民運動や労働運動の成果が持ち寄られました。ここ2年は新型コロナパンデミックでむき出しになった〝命よりカネ儲け〟の新自由主義政策との闘いをいかに強化するかに焦点が絞られています。
MDS(民主主義的社会主義運動)佐藤和義委員長は菅政権のコロナ対策をとりあげ「医療費を減らし、病院・医療従事者を増やさないのが新自由主義政策」と指摘しました。韓国・対案文化連帯ユ・ミヒ代表はグローバル資本が「軍備増強や宇宙開発市場の拡大に莫大な人類の資源を注ぎ込んでいる」と批判しました。
フィリピン| ポール・ガランさん(マパラドカ[戦争と貧困に反対する市民と家族]/ピース・ムーブメント議長) 「フィリピンの軍拡反対と地域変革運動」 イラク|サミール・アディルさん(イラク労働者共産党書記長) 「コロナ危機下での社会主義の展望について」
それに対してどう闘うのか。議論の中心となったのは、沖縄辺野古新基地建設阻止に向けDSA(アメリカ民主主義的社会主義者)とともに取り組むZHAP(ZENKO辺野古プロジェクト)と朝鮮戦争の終結めめざす「朝鮮半島終戦平和キャンペーン」です。70年間、休戦状態にある朝鮮戦争は東アジアの軍事緊張の火種となっています。また、辺野古での新基地建設は軍事緊張をエスカレートさせることは間違いありません。各ゲストの発言やパネルディスカッションの中で東アジアの平和を築くには2つの運動を両輪として取り組むことが必要だと確認されました。
新自由主義政策との闘いは、被害を受ける市民の要求を声にし政策として実現していくことです。DSAからは、訪問活動が困難となったコロナ危機下でも、電話での対話に活動を広げた経験の報告がありました。市民が困っていることを丁寧に聞く取り組みが社会主義者3人の州議員当選につながりました。戸別訪問や電話かけなどたゆまぬ努力でDSA市長候補の予備選での歴史的勝利を実現しています。
ZENKOも市民の声をもとに自治体の政策変更をせまる闘いを重ねています。東京都大田区では五輪反対の陳情書を区議会に提出しました。「中止の声はない」とする議員の居直りを許さない実績をつくりました。日野市を先頭に、市民運動は秋の衆議院議員選挙に向けて市民と野党共闘の中心となっています。関西でも大阪府・枚方市、兵庫県西宮市での自治体要請行動の報告がされました。
資本の直接的な攻撃を受けているのは労働者、特に非正規労働者です。派遣切りにあった仲間は「首都圏なかまユニオンが生きる希望を与えてくれた」と語り「不安定雇用は自己責任とする間違った社会を変えていく」と決意を表明しました。関西のなかまユニオンからは、福祉職場で22人の組合結成、退職に追い込まれた同僚の原職同等の復帰を勝ち取った報告がありました。
コンサート
大阪市内の剣先公園にて屋外コンサートを開催しました。「月桃の花」歌舞団のエイサーや、辺野古で歌われている「座り込めここへ」など沖縄の歌や、フィリピンのポール・ガランさんの新曲など文化の力を感じました。
7/25(金)
分科会
〝黙っていては殺される〟─そんな新自由主義政策に対し、16の分科会がもたれ討議されました。修正された決議は総括集会で確認されました。
第1分科会 ZHAP(ZENKO辺野古プロジェクト)はDSAと連帯して辺野古新基地建設を止める!
第2分科会 日韓市民の連帯で東アジアに平和を!朝鮮半島終戦平和キャンペーンを広げよう!
総括集会
総括集会では、原発廃止・避難者支援をテーマにした分科会討議の報告がありました。福島原発事故から10年。国が事故責任を認めない中で、国際人権法を駆使して闘いを強化する方針が提起されました。
各分科会で決議を補強し、総括集会で確認されました。合わせて、東京オリンピック・パラリンピック中止を求める特別決議が採択され、JOC(日本オリンピック委員会)、IOC(国際オリンピック委員会)に送付します。
集会の最後はポール・ガランさんの「We Shall Overcome」でした。感染防止のため歌えませんでしたがライトを振って会場が一体となりました。