4.29 国際オンラインパネル報告〜パレスチナ/ウクライナ シースファイヤ―ナウ(即時停戦)!日米韓の国際連帯で、沖縄・全国・東アジアの軍事化を止めよう!

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2024年4月29日、ZENKO国際オンラインパネル「<パレスチナ/ウクライナ>シースファイヤ―ナウ(即時停戦)!日米韓の国際連帯で、沖縄・全国・東アジアの軍事化を止めよう!」(主催:ZENKO[平和と民主主義をめざす全国交歓会]、ZHAP[ZENKO辺野古反基地プロジェクト])を開催しました。
これまでZHAPの国際連帯キャンペーンを通じてDSAIC(アメリカ民主主義的社会主義者国際委員会)と継続的に連携し、数次にわたるオンラインパネルを開いてDSAやYDSA(青年DSA)の仲間に沖縄辺野古新基地建設阻止の課題を知らせてきました。
またOEJP(沖縄環境正義プロジェクト)との連携では、米国の地方議員や連邦議員にもこの課題への賛同を広げるという成果も生み出しました。
昨夏はDSAの仲間を直接沖縄現地に招き基地と軍事化の現実を見てもらい、その報告パネルも12月に開催しました。
このような取り組みの積み重ねを踏まえて、今回初めて、沖縄・米国・韓国を結び日本国内の仲間を対象として、国際連帯でパレスチナ、ウクライナの即時停戦と全国の軍事化阻止を実現し、東アジアの平和を切り開こうという国際オンラインパネルを開催することができました。
当日は、沖縄、米国、韓国と全国8カ所のサテライト会場、そして個人参加の方々をオンラインで結び、合計約300人の参加で成功させることができました。

シーン・キムさん「DSAのパレスチナ連帯闘争」

主催者から基調と行動方針を提起した後、さっそくDSAのシーン・キムさんから「DSAのパレスチナ連帯闘争」というタイトルで報告を受けました。

シーンさんは、東部ニューハンプシャー州ハノーバーにあるダートマスカレッジに学部生として在籍した頃にYDSAに加盟し、キャンパスでバイトをしている多くの学生を労働組合に組織する活動に従事、主に時給のアップや職場でのコロナ感染対策の実施を要求していたそうです。

現在は西部カリフォルニア州で法科大学院に通いながらシリコンバレーDSAに在籍して活動中。
この間全米に広がっている学生のパレスチナ連帯闘争に関わってカリフォルニア州でも数多くの大学でencampment(テント籠城、野営闘争)が行われており、当局や警察からの弾圧への対応で法学生として多忙な毎日を送る中での報告となりました。

現在進行中の学生たちの闘いを画像で紹介しながら、「学生が立ち上がっているキャンパスにはたいていDSAかYDSAの支部があり運動をけん引している。学生たちは、1)大学当局の基金出資先の公表、2)イスラエル関連企業への投資撤退、3)学生への不当処分撤回の3点を要求している」と報告されました。

シーンさんによれば、アメリカの主要20大学が合計55兆円の基金を運用しており、米国最大のヘッジファンドの一つを構成しているとのこと。
学生たちはこの巨額の資金がパレスチナ人虐殺に加担する親イスラエル企業に投資されていることを見抜いているのです。

もう1点シーンさんが強調されたのは、学生たちの闘いが労働者の闘いと連帯して展開されていることです。
キャンパスを離れると学生は地域のパレスチナ連帯の共闘組織の行動に参加し、そこで多くの労働者とつながっており、労働組合も学生の闘いを支持する声明を発するなど、労働者と学生の連帯関係は強化されています。

「先日もキャンパスで不当逮捕された学生を警察署へ移送をするバスの運転手がその業務を拒否した。そのバス運転手も組織労働者だった。学生・労働者には自分たちの住んでいる社会への責任と不当な現状を変える力がある」と力強く報告されました。

新垣邦雄さん「『沖縄・九州から全国に広がる戦争準備』~回避へ国内連帯・国際連帯を~」

次に沖縄から新垣邦雄さん(ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会事務局長)に『「沖縄・九州から全国に広がる戦争準備」~回避へ国内連帯・国際連帯を~』のタイトルで沖縄の闘いを報告していただきました。

新垣さんは冒頭、「沖縄でも毎週のようにガザ虐殺反対のデモやスタンディングの行動が取り組まれている。地理的にも逃げ場のないガザでの虐殺の惨状を目にして、有事になった際の沖縄が想像され他人ごとではないとの思いから行動に参加している」

特に、「軍民分離」の原則」を規定するジュネーブ条約追加議定書等の国際人道法を無視して、沖縄島や琉球弧の島々がミサイル要塞化され、長距離射程のミサイル配備が計画されていることへの憤りが表明されました。

「4月1日には全国の5空港11港湾が「特定利用空港・港湾」として指定され、2024年度だけでも370億の予算をかけて国が軍事整備する。有事は言うに及ばず平時から日米でこうした民間施設の軍事使用が進められ、さらに指定リストには40の空港港湾があげられている」と全国を襲う軍事化の波に警鐘を鳴らされました。

また日本国内に存在する7つの「朝鮮国連軍(United Nations Command)基地」(嘉手納、普天間、ホワイトビーチ、横田、横須賀、座間、佐世保)は、「朝鮮半島有事」の際に「国連軍」としての米軍は事前協議なしに出動可能で一気に戦時体制が稼働することを指摘されました。

このような状況に対して、全国の反基地運動が連帯して闘う「国内連帯」、そして韓国、米国を含む世界の仲間と連帯して闘う「国際連帯」の重要性と緊急性を強調されました。

カン・ヒョンウクさん「朝鮮半島の平和を脅かしているのは朝鮮ではありません─2024年の星州サード配置の現況と朝鮮半島の平和」

韓国からはカン・ヒョンウクさん(THAAD撤回ソソンリ総合状況室)が、「朝鮮半島の平和を脅かしているのは朝鮮ではありません- 2024年の星州サード配置の現況と朝鮮半島の平和 -」と題して、星州ソソンリでのTHAAD(サード:Terminal High Altitude Area Defense:終末高高度戦域防衛)ミサイル(弾道ミサイルを最終局面で迎撃するミサイルシステムと言われている)の配備に反対して続けられている現地の闘いを報告されました。

「朴槿恵(パク・クネ)政権がはじめ、文在寅(ムン・ジェイン)政権が強化し、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が確定させたのがサード配備です。 アメリカMD(ミサイル防衛)政策の中核である星州(ソンジュ)のサード基地はほぼ完成しつつあります」
「ムン・ジェイン政権下で、それまで年に2~3回だった現地での警察との衝突が週2~3回となった」
「村の住民を含む守り人に対する司法措置が30件を超え、そのうち16件だけでも罰金が3000万ウォンを超えています。それにもかかわらず、私たちは4月27日、第16回汎国民平和行動を通じて平和闘争を誓いました。 母親たちは心身ともに具合が悪くて出られませんが、若い人たちが集まって引き続き平和を作っていくと誓いました」と闘いを継続する決意を表明されました。

現在のユン・ソンニョル政権は、「力による平和」を掲げ、安倍政権が言い出した「インド太平洋戦略」の韓国版を前のめりに推進しようとしていると批判。

「米比合同演習「カマンダック」に韓国海兵隊を派遣し中国封じ込め戦略の先頭に立とうとしていますが、こうした好戦的な中国敵視政策は国民から支持されていません。今日集った私たち全員が、そして平和を求める世界中の市民が世界平和の最後の砦です。ともに平和のため最後まで闘いましょう!」と呼び掛けられました。

地域からの闘い報告

Q&Aの後、各地からの闘いの報告として、4本の報告がされました。

京都から〜祝園ミサイル弾薬庫問題

まず沖縄平和連帯京都南部の会から、「京都・祝園(ほうその)ミサイル弾薬庫問題について」として現地での状況が報告されました。

防衛省は2035年までに全国に大型ミサイル(長射程トマホーク、12式地対艦誘導弾改良型、島嶼防衛用高速滑空弾等)を貯蔵する弾薬庫を全国に130棟を新設する計画ですが、その内8棟が祝園に作られようとしています。

こうした動きに対して、写真展の開催や陸自祝園弾薬支処長への要請書の提出、地元精華町長への申し入れ、さらには「京都・祝園(ほうその)ミサイル弾薬庫問題を考える住民ネットワーク」への参加などの取り組みが報告されました。

広島から〜呉海上自衛隊基地大拡張問題

ZENKO広島からは「日鉄呉跡地を巨大な軍事拠点にするな!東アジアの平和のために基地のない呉をつくろう!」と題して報告がありました。

130㌶にも及ぶ広大な日鉄呉の跡地を防衛省が一括買い上げて巨大な軍事拠点にしようとしている問題です。海自呉基地の南に隣接する敷地に、ヘリポート、訓練施設、港湾施設等を備えた巨大な軍事拠点を作る計画は、侵略戦争を支えた軍港呉及び呉海軍工廠を復活させ、日米一体の敵基地攻撃態勢を支えるもので到底許されるものではありません。

神奈川から〜横浜ノース・ドック

平和と民主主義をともにつくる会・かながわ<横浜ノースドックいいんかい>からは、横浜港のど真ん中にある米軍基地「横浜ノースドック」に実戦部隊である米陸軍揚陸艇部隊280名が配備される問題についての報告がされました。

この部隊配備は昨年2023年1月の日米2+2で同時に合意された沖縄への海兵沿岸連隊(Marine Littoral Regiment:MLR)2000名の配備と一体で運用されるものです。MLRは遠征前線基地作戦(Expeditionary Advanced Base Operation:EABO「イーボ」)で40の島々に分散して展開しミサイル攻撃等をする部隊です。

それを支えて兵員や軍事物資を輸送するのがノースドックに配備される揚陸艇部隊、横浜港でも民間のふ頭や工場が軍事利用されており、署名やデモで抗議が続けられています。

滋賀から〜パレスチナ連帯三菱重工関連企業要請行動

最後にZENKO滋賀からパレスチナ連帯三菱重工関連企業要請行動が報告されました。

三菱重工は次世代戦闘機をイギリスの軍事企業BAEシステムズ社、イタリアのLeonardo社と共同開発するプロジェクトに参入しています。
BAEシステムズもLeonardoもイスラエルにF35戦闘機の部品を供給している軍事企業で、イスラエルのガザ虐殺に加担しています。

3月15日にZENKO関西は、三菱重工関連企業に対して、「ガザ虐殺に加担するな」「イスラエルに兵器を提供するイギリスBAEシステムズ社と手を切れ」の一斉行動を実施し、ZENKO滋賀では、滋賀県近江八幡市にある三菱ロジネクスト滋賀工場への要請行動に取り組みました。まともに要請書も受け取ろうとしない企業の対応は逆に企業側の焦りを感じさせるものでした。

最後にゲストからのメッセージを一言ずつ頂いてプログラムを終了しました。

今回の国際オンラインパネルを通じて、私たちが全国の仲間とつながり、そして海外の仲間とつながり、まさに国内連帯と国際連帯で即時停戦を求め軍事化を止める闘いを展開していることを実感することができました。
今後も国内外の仲間との連携をさらに強めて、東アジアの平和を切り開いていきたいと思います。
ともに頑張りましょう!

<主催者からの行動提起>

  1. 今日のオンラインパネルの報告から学び、各地で自衛隊基地や弾薬庫の増強に反対する行動、パレスチナに連帯し、イスラエル協力企業に対する抗議要請行動に取り組もう!
  2. 「「台湾有事」NO! 沖縄戦を繰り返すな!」のZHAP(ZENKO辺野古反基地プロジェクト)の第二次署名を拡大しよう!
  3. 5/25~6/2「今すぐ戦争とめよう!対話で平和を!2024ZENKOスピーキングツアー」を広げ、沖縄・琉球弧の軍事化と闘う現地の仲間と連帯し、全国に反基地、反軍事化の運動を拡大しよう!
  4. 『パレスチナ・沖縄琉球弧の写真展』を各地域で開催し、対話で戦争を止める取り組みを拡げよう!
  5. 6/15~17「ZENKO参加団 in 沖縄」に参加し、現地の闘いを支援し連帯しよう!
  6. 7/27~28「2024 ZENKO in 大阪」に、すべての闘いを持ち寄り、1000人の参加で成功させよう!

(ZHAP事務局:日南田成志)