12月3日(水)、ZENKOスピーキングツアー滋賀集会を開催しました。ゲストスピーカーは与那国島の山田和幸さん(おきなわ住民自治研究所会員)です。


オープニングは素敵なオカリナ演奏(松永歩さん)でした。平和な故郷を想うかのような懐かしくのびやかなメロディーが心に響きました♪

海外からの連帯メッセージ
アメリカDSA(民主主義的社会主義者)ニューヨーク支部、ブリン・ダン(Brynn Dunn)さんからのビデオメッセージ

〈要旨〉
日本でのFANUCや三菱に対するBDS運動は、DSAが進める「No Appetite for Apartheid(アパルトヘイトに食欲なし)」といった「アパルトヘイト・フリー・ゾーン」キャンペーンとつながっています。(冬を迎え)凍える雨が打ちつけるガザの人々の苦しみは想像を絶します。パレスチナ解放の共同の取り組みはこれまで以上に重要です。
台湾をめぐる高市早苗首相の発言は中国と日本の戦争をもたらす現実的可能性として深刻に受け止められるべきです。DSA国際委員会が「No War with China(中国との戦争反対)」キャンペーンを拡大している理由もここにあり、この取り組みがアメリカ国内で勢いを増しています。
ニューヨーク新市長にゾーラン・マムダニが当選したことは私たちの誇りです。彼は「少数の利益」ではなく「多数の利益」を優先する社会へ作り変えます。私たちは、ゾーランの歴史的キャンペーンで得た経験を皆さんと共有し、帝国主義的支配のシステムに代わるものをめざし、皆さんと共に闘い続けることを楽しみにしています。
といった内容のビデオメッセージに続き、高市発言で注目の台湾からのメッセージを紹介しました。
台湾労働党より(抜粋)
今回の高市氏の発言は、ついに『自衛権』の解釈を『存立危機事態』を口実に恣意的な先制攻撃を行うことさえも『自衛』とみなすところまで拡張させました。…… 近年、 日本は米国の意向と自らの意思に基づき、南西諸島などでミサイル基地や弾薬庫の建設を絶えず進め軍事予算を大幅に増強しています。我々東アジアの民衆は団結し反戦の連帯闘争を強化し東アジアの平和を促進していかねばなりません!
ゲストスピーカーの与那国の山田さんをお呼びします 司会はZENKO滋賀の峯本さん

ゲストスピーカー講演
山田 和幸さん(おきなわ住民自治研究所会員)
「与那国島民の譲れない選択」

〈お話しの概略〉
人口1638人の与那国町。先の町長選挙で新町長が誕生しました。与那国の選挙はいわゆる血縁選挙で票は固められ投票率も高い。その中で1期目の現職町長が落選したのは島で初めての事件ででした。
上地新町長の公約は「暮らし続けられる島をつくろう」「これ以上の軍備増強は島が壊れる」としてミサイル部隊配備は防衛省が住民に説明したうえで住民の声を聞き慎重に対応する、米軍の島利用は認められない、というものでした。この公約に相当な数の有権者が自分の意思で投票した。
こうした新しい兆しが見られた背景には、生活基盤が大きく変わってしまったということがあります。特養施設は閉鎖、薬剤師の撤退、常駐医師の3月での派遣停止。第一次産業が衰退し「米の島」と呼ばれた与那国に米農家は1軒のみ。町役場職員が13名辞職し行政機能が崩壊。有事の全島民避難計画、ひっきりなしの軍事訓練(軍人が島にあふれる)。こうした中で、自衛隊賛成・反対以前に、切羽詰まって自分の意志で投票したと思われます。
また、今回の選挙では、島で初の公開討論会(青年会議所主催)が行われました。候補者が政策を公表してクロス討論を展開し有権者の注目を集めました。
町議会の可視化を求める動きも長く続いていました。会期や請願締切や質問日程もわからなかったのが、新町長になってインターネットなどで議会が公開されるようになりました。
島に配属された自衛隊員とご家族にも苦悩があります。自衛隊関係者が現職を必ずしも支持しなかったと思われます。「闘う覚悟」をもとめる現職町長の姿に「本当のことを分かってくれていない」と疑問や不安を感じているのではないかと思います。
「台湾有事」と暮らし続けられる島づくりという、相反するこの2つをどう考えればよいのか? 町議会の動画配信もされるようになり、だれでも議論を知ることが出来る。いままでは山田さんどうしてそんなことを知ってるのと聞かれたが、これからは話のとっかかりができる。また、新町長になって住民説明会開催を防衛省に要求し実現した。
生活基盤の再建は待ったなし。暮らし続けるため住む人を増やすことが必要なのに、避難計画は半強制的に住む人をなくすもの。生活基盤の再建に反するものです。
以上のように、生活基盤再生のための自治体や議会、町民のかかわりや変化を中心にお話しされました。質疑も活発に行われました。
地域の取り組み報告
パレスチナの国家承認を求める意見書の提出を求める請願
虐殺を止める声を地方議会からあげていきたい。常任委員会での意見陳述を予定しており市民の側から訴えていきたい。
アパルトヘイトフリーゾーンの取組
アパルトヘイトとガザ虐殺に加担しない場所を世界に増やしていく取組。商店街のお店を回ったり団体にお願いして、虐殺の実態を知ってもらいパレスチナの平和を取り戻したい。
大津市議会議員 中川てつや
高市政権の大軍拡にかかわって2点述べます。
軍事費GDP比2%の前倒し実施分、さらにトランプ要求GDP比3.5%(22兆円)をどうやってだすのか。増税と国民生活切り縮めしかない。まず、軍事増税が導入され年1兆円を確保するとされるが、増えていくことが予想される。次に、地方自治体への国民生活関連予算をそぎ落とす。大津市では学校の冷暖房工事が削減された。今後、調査・追及していきます。
集会の終わりに(山田さんより一言)

与那国だけでなく全国共通の課題ですが、過去に台湾を50年間植民地化してきた歴史を私たちは教えられず意識せずに「台湾有事」などと言っている。台湾の現状と歴史を意識的に学び交流しなければならないと感じています。
軍隊と我々の対立点は、標的になるとか加害者になるということがあるが、生きていく大地と水が奪われるという暮らしの基本が、全国で厳しい状況に立ち至っているので、地方議会を身近なものにしていくことが大事ではないかと思います。
与那国にぜひ来てください。
与那国の山田さん、集会会場ご参加の皆様、Zoom視聴の皆様
ありがとうございました♪
行動提起は以下の通りです


スピーキングツアーも終盤。ぜひ会場にてご参加ください!最終日大阪市集会は、集会後デモがあります! https://zenko-peace.com/st
12/5(金)京都集会 18:30~20:30
キャンパスプラザ京都 第4講義室
◎ゲスト:奥間政則さん(沖縄島/沖縄ドローンプロジェクト)
12/6(土)大阪・堺市集会 14:00~16:30
サンスクエア堺 第1会議室
◎ゲスト:清水早子さん(宮古島/ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会)
12/7(日)大阪市集会 13:00~16:00
大阪市立住まい情報センター ホール
◎ゲスト:呉羽真弓さん(京都/「京都・祝園ミサイル弾薬庫問題を考える住民ネットワーク」共同代表)



