「戦争はここからはじまる」釜山・武器博覧会に抗議

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韓国・釜山で5月28日~31日、国際海洋防衛産業展(MADEX2025)が開催されました。韓国内外の主要兵器会社218企業が参加し、海洋防衛品の取引を行う巨大な展覧会。ここにガザで虐殺を続けるイスラエル企業「IAI」も参加。韓国の23の平和団体で構成する「武器博覧会抵抗行動」は26日、30日、31日と連日の抗議行動を行い、「イスラエル戦争企業IAI参加糾弾!死の市場、武器博覧会に反対する」と抗議の声をあげました。私たちZENKOは対案文化連帯の案内で30日の記者会見・31日の集会に参加しました。

MADEX参加企業一覧

巨大な展示場に到着すると、子連れの親子や若い男性の姿が目立ち、まるで楽しいイベントのよう。

入口前には「海洋防産(防衛産業)強国に向けた大航海!MADEX2025」と書かれたパネルが掲げられていた。韓国が巨大な軍事産業国家として武器輸出を推進することが露骨に表れている。

親子連れ、若い男性の参加が目立つ。

参加企業・ブース一覧。韓国の企業がほとんどだが、イスラエルのIAIなど海外の企業も並ぶ。

30日 イスラエル企業参加糾弾!記者会見

30日は、抵抗行動のメンバー約10名が会場前で記者会見を開きました。

参加者が声明を朗読。韓国の武器輸出国のうち74%が独裁国家に供給され、民主化/反政府デモ鎮圧の過程で、韓国製武器や催涙弾や水鉄砲などのデモ鎮圧装備が使われてきたこと、イスラエル兵器企業であるIAIも参加し、韓国産の武器が独裁国家やパレスチナで使用されていることを批判しました。宇宙産業とAI技術開発という名分の下でハンファなどの兵器企業が政府と協力し宇宙を新たな戦場にしていること、気候危機にも悪影響を及ぼしていることにも言及し、全地球的な暴力の主犯である武器産業を批判し、武器博覧会の中止を求めました。

構成団体の一つである「戦争のない世界」のメンバーは、「韓国内ではソウルなど全国各地で武器博覧会が開催されている。戦争はここから始まる。武器の大量生産と利益のための消費促進が現在の戦争の基礎にある。軍事独裁に抗した釜馬抗争が繰り広げられた釜山で平和と人権・民主主義を破壊する武器産業展の開催に反対する」と発言しました。

「国際アムネスティ韓国支部」のメンバーは、イスラエル国営防衛産業であるIAI,イスラエルに武器を納品してきたThalesなどがブースを設置し殺傷能力を誇示しているが、これらの武器の「性能」はパレスチナ人の血を代償にパレスチナの地で検証されてきたと批判。MADEXにはイスラエル海軍合同参謀の公式招待も行われ、イスラエルおよび関連企業との武器取引と宣伝行為は、国際人権法と人道法に違反する行為だと批判しました。また、韓国が虐殺や戦争犯罪に使われる国への武器輸出を禁止する国連武器取引条約(ATT)やジェノサイド条約に署名しているにも関わらず、イスラエルへ84億ウォンもの武器を輸出していることを批判しました。

 釜山・嘉徳島新空港建設に反対するメンバーは、「新空港の建設は単なる土木事業ではなく、多くの生態系を破壊し、有事の際に軍事転用される。戦争は人間の命を奪うだけでなく自然を破壊し生態系を取り返しのつかない状態にする。戦争に反対し、生態虐殺に強く糾弾する」と発言しました。

記者会見 写真(ニュース記事より)

出展:https://n.news.naver.com/article/047/0002475601?sid=102

31日 人殺し武器の展示会

31日の午前は武器博覧会の内部を見学ました。巨大な展示会場には、大韓航空、現代、ハンファ、KAI(韓国航空宇宙産業)などの多くのブースが並び、最新の軍艦や無人機、ドローンなどの模型を展示していました。ブースの巨大広告スクリーンで、軍艦が進み戦闘機が飛び交う姿はまるでゲームのようです。

銃を展示するブースには、子どもは親が説明するのをメモしていました。この弾が実際に人の体に打ち込まれ殺人をしているのですが、背広を来てセールスする職員はそういった想像力を持っているのでしょうか。「環境にやさしい銃弾」と奇怪な言葉も並んでいました。

防弾ジョッキ体験コーナー、戦車の乗車体験には親子が列を作っていました。これらがすべて殺人兵器だと誰一人として感じていないのだろうかと、恐ろしい状況でした。

午後からは会場前で「戦争はここから始まる」と題した横断幕を掲げ集会を開催。

群山基地活動家のキム・ヨンテさん、済州島の基地反対活動家、釜山・嘉徳島新空港建設反対活動家、兵役拒否・軍拡反対運動を行う活動家、人権活動家、パレスチナに連帯する活動家など、全国から若い活動家が集結。 イスラエル関連企業の参加糾弾!民主主義の都市釜山で武器商売をするな!などコールをしながら道行く人々に武器博覧会の危険性を訴えました。

ZENKOからは、日本では沖縄をはじめ全国で軍事化が進んでいること、抵抗する闘いが全国で繰り広げられていること、ZEENKOがBDS運動でイスラエル関連企業やイスラエル政府への抗議行動を行っていることを紹介。特に三菱が作る部品が使われているF35戦闘機がガザで人を殺し、群山では台湾有事の出撃のため群山基地に配備されていることから、日本から連帯し戦争を止めていくことが大切と発言しました。

群山基地のキム・ヨンテさん(セマングム新空港白紙化共同行動共同代表)は「全国で空港建設が赤字で続いているのにもかかわらず、新たに10の空港を作ろうとしている。群山に作られるセマングム新空港が軍事基地として利用されることがはっきりしているが、これらも軍事転用される可能性が高い。日本・台湾の市民と共に平和に暮らせる世界を創ろう」と訴えました。 集会終了後、各運動団体と挨拶。ZHAP署名のパンフを渡し、署名への協力を呼びかけました。

集会の様子はYOUTUBEでご覧になれます。

終わりに

有力候補である共に民主党のイ・ジェミョン大統領候補は「韓国経済の低成長危機を突破する成長戦略として、韓国を世界防衛産業国の4大強国にする」と公約し、武器輸出強化、軍事産業への減税・投資、宇宙戦略司令部の設置など、露骨に軍事化を推進することを表明しています。

そのような中でも、人殺しの兵器を作らせ輸出させず、新たな基地建設を許さず、平和と民主主義に貫かれた社会を目指そうとする若き活動家たちが、戦争のない世界を目指して闘い続けていることに勇気をもらいました。彼・彼女らと連帯し、日本での闘いを強め広げていきましょう。BDS運動を広げ、ZHAP署名を広げ、国際連帯の力で展望を切り開いていきましょう。