【ZENKO抗議声明】沖縄・辺野古平和学習への「教育基本法違反」認定の撤回を求めます

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沖縄・辺野古の事故を契機として平和運動、平和学習などへの批判が強まっています。

さらに松本文科相は教育基本法の第14条2項を理由に「政治的に中立でない」と 教育基本法「違反」と認定しました。

文科省の見解は、平和運動・学習への批判、圧力をかける動きを助長することにつながるのは明らかです。この意味で、文科相の判断こそ、極めて「政治的」な判断です。

また教育基本法第16条1項では「教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定める ところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、 公正かつ適正に行われなければならない。」とされています。

行政による教育内容に対する不当な介入は許されるものではありません。

悲惨な事故を招いてしまった原因は究明されなければいけませんが、安全管理の問題と教育内容の問題は別であり、 教育基本法の趣旨をねじ曲げ、平和・人権教育を抑圧するとともに、行政が教育内容に対し不当に介入することは許されません。

文部科学大臣 松本洋平 様

沖縄・辺野古平和学習への「教育基本法違反」認定の撤回を求めます

 3月16日、沖縄県名護市の辺野古沖で小型船2隻が転覆し、研修旅行中の同志社国際高校(京田辺市)の生徒一人と船長の尊い命が失われました。

 これに関し、5月22日松本文科相は、同志社国際高校の辺野古での教育活動が「教育基本法に違反」だと断定しました。特定の教育内容を「違反」と認定するのは、法制定以来はじめてのことです。文科省は当該の活動が「学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。」という教育基本法の条文(第14条第2項)に違反したと主張しています。その根拠として、生徒が乗った船が辺野古基地建設の抗議に使われたものだったこと、亡くなった船長が基地建設反対の活動家であったことなどを挙げています。

 私たちも今回のような事故は、決してあってはならないものであり、人命と安全を守るため、万全の対策が講じられるべきであり、事故の原因、責任の所在が徹底的に解明されなければならないと考えます。そして遺族の方のお気持ちを理解し、真摯な謝罪と賠償がなされ、再発防止策が講じられなければならないと考えます。

 しかしながら、私たちは、今回の事故を理由に、辺野古における市民運動や沖縄の平和教育そのものを否定し、抑圧しようとする動きに対しては、断固として抗議します。沖縄の平和ガイドや民宿の活動への有形無形の圧力が続いています。沖縄県外でも、沖縄をフィールドにした平和学習の実施を控える動きが学校側に広がろうとしています。つまり、「事故」を契機にして、反基地・平和運動全般への不当な批判や圧力が強まっているのです。文科省の見解は、そうした動きを助長することにつながるのは明らかです。この意味で、辺野古での教育活動が「政治的中立性を欠く」とする文科相の断定こそ、極めて「政治的」な判断であると言わざるを得ないのです。

 沖縄の住民が基地の重圧と絶え間ない事件・事故にさらされ続けている現実を知り、背景や原因を一人ひとりが考えることは、学校教育だけでなく社会全体にとっても必要なことです。このことを教育基本法が禁じているとは、到底考えられません。船が抗議行動に使われていたことや、船長が基地反対を語っていたとしても、辺野古の問題を知り学ぶことが、教育内容として不適切だとは考えられません。

 そもそも教育基本法は「世界の平和と人類の福祉の向上に貢献する」ことを前文で定めています。法の趣旨をふまえれば、社会問題に触れ、一人ひとりの生徒が考えるきっかけにすることは、よりよい社会をつくっていくために当然必要なことではないでしょうか。そう考えれば、平和教育の内容そのものを「違反」と断定することは誤りであると考えます。これをきっかけに平和・人権教育ができなくなるような事態はあってはなりません。また教育基本法第16条1項では「教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない。」とされています。行政による教育内容に対する不当な介入は許されるものではありません。

 悲惨な事故を招いてしまった原因は究明されなければいけませんが、安全管理の問題と教育内容の問題は別であり、教育基本法の趣旨をねじ曲げ、平和・人権教育を抑圧するとともに、行政が教育内容に対し不当に介入することは許されません。

 以上の観点から、私たちは松本文科相による沖縄・辺野古平和学習への「教育基本法違反」とした認定の撤回を求めます。

   2026年5月24日

ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)