韓国・朝鮮の高官級会談・共同報道文(1月9日)は韓米日・世界の反戦運動の成果だ!
朝鮮半島核危機を終わらせ、日本の軍拡と憲法改悪を阻止しよう!
2018年1月19日
ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)
2018年1月9日、韓国と朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は板門店(パンムンジョム)で高官級会談を行い、共同報道文を発表した。これは、朝鮮半島南北の軍事対立を緩和し、核危機を回避し、東アジアの平和と友好関係を築き、世界の戦争と差別の政策を止めていく闘いの重要な成果である。我々はこの共同報道文を支持し、韓国・朝鮮にその内容を即時実施することを要求する。
韓国・朝鮮両政権は共同報道文で、(1)平昌(ピョンチャン)冬季五輪・パラリンピックへの朝鮮からの選手団、代表団などの参加、(2)軍事的緊張状態を緩和するための軍事当局会談の開催、(3)南北関係改善に向けた南北高級会談と各分野の会談の開催を合意したことを明らかにした。韓米政府は米韓合同軍事演習を延期せざるを得ず、トランプ大統領でさえこの合意を支持し「南北間対話が行われている間にはいかなる軍事的行動もない」と表明した。
この動きを日米韓グローバル資本と朝鮮政府に強制したのは、韓国、沖縄、日本全土の反基地、憲法改悪反対の闘い、米国をはじめとした全世界の反戦運動と国際連帯運動だ。
具体的には、韓国における済州(チェジュ)島軍事基地や星州(ソンジュ)へのTHAAD(高高度防衛ミサイルシステム)導入反対など朝鮮半島核危機を許さない闘い、沖縄をはじめとした日本全国での基地建設、軍備拡大、憲法改悪に反対する闘いが進んでいる。米国では戦争と排外主義による差別拡大に反対する闘いがトランプ大統領を追いつめている。全世界で核戦争と緊張激化に反対する民衆の連帯した闘いが広がっている。
この平和への大きな動きに最も敵対しているのが日本の安倍政権である。安倍首相は南北会談直前の1月7日に「対話のための対話では意味がない」と発言、1月9日には菅官房長官が「日本、米国、韓国が北朝鮮の政策変化を圧迫するために協力することには変わりがない」と強弁し、南北対話の意義を押さえ込むのに躍起となってきた。
しかしこれは安倍政権の危機感の表れでもある。昨年12月27日、韓国政府が設置した「韓日日本軍慰安婦被害者問題合意検討タスクフォース」が日本軍「慰安婦」問題の日韓合意(2015年12月)について「韓国政府は、被害者が1人でも多く生きている間に問題を解決しなければならないと協議に臨んだが、交渉過程で被害者の意見を十分に集約しないまま、政府の立場を中心に合意を決着させた」とする検討結果を発表した。しかも安倍政権はこの日韓合意の交渉の際に挺対協(韓国挺身隊問題対策協議会)などの反対意見を抑え、第3国での「慰安婦」関連の少女像の設置をさせない、「性奴隷」という用語を用いない等を韓国政府に要求し認めさせていた事実が明らかにされた。
安倍政権は、朝鮮半島核危機を利用しあおり立てることで軍備拡大と憲法9条改悪の口実に利用し、日本軍「慰安婦」問題を「最終的かつ不可逆的解決」(日韓合意)とすることで過去の侵略戦争責任を隠蔽し、新たな戦争と侵略を進めようとしてきたが、いずれの論拠も崩れたのである。
今こそ、韓米軍事演習を完全に中止させ、6カ国協議(朝鮮の核問題について解決策を話し合う朝鮮、韓国、アメリカ、日本、中国、ロシアの外交会議)の再開、核兵器禁止条約の批准、そして朝鮮半島の非核化を実現しよう。沖縄・日本全土の反基地運動を進め、軍拡を止め、東アジアの平和体制構築に前進しよう。安倍政権の戦争挑発の実態を明らかにし、責任を追求し、打倒しよう。軍拡と憲法9条改悪の策動を止めよう。