◆意図的に作られたイラン緊張激化
▸イラン緊張激化は、トランプが仕掛けたものです。2018年5月、トランプ政権はイラン核合意を一方的に破棄しイラン制裁を実行してきました。今年6月、タンカーがホルムズ海峡付近で攻撃されると米政府は証拠もないまま〝イランの攻撃〟と決めつけ中東に米軍を大規模で増派。7月に入るとホルムズ海峡「防衛」と称して『有志連合』参加を各国に呼びかけました。
▸中東・イランでの緊張激化は意図的に作られてきました。これらの動きは、イラク戦争のときブッシュ政権が、イラクが大量破壊兵器を持っていると捏造して戦争を開始したのと同じ手口です。
◆『有志連合』を口実にした、自衛隊の海外派遣
▸10月18日、国家安全保障会議(NSC)4大臣会合(安倍総理、菅官房長官、茂木外務大臣、河野防衛大臣)が開催されました。そして驚くことに、国会で議論することもなくわずか4人の閣僚によって中東への自衛隊派兵を決定したのです。
▸政府は当初、今回の派兵の法的根拠を防衛省設置法上の「所掌事務の遂行に必要な調査及び研究」としていました。しかし23日の衆院外務委員会で防衛省・槌道明宏防衛政策局長は、現地情勢によって武器使用を可能とする「海上警備行動発令」に切り替えることも検討していると答弁したのです。
▸また活動海域を、「オマーン湾・アラビア海の北部の公海及びバブ・エル・マンデブ海峡の東側の公海」などとごまかしていますが、ホルムズ海峡は目と鼻の先です。いずれにしても海外に自衛隊を派遣し武力行使を行うということにおいて、憲法9条違反の行動です。
◆海外派遣の既成事実で憲法改悪を狙う
▸安倍政権は、トランプ政権の要求を利用し、本格的な自衛隊の海外派兵を狙っています。安倍政権は、2014年に集団的自衛権行使容認の閣議決定し、2015年には戦争法を成立させました。また自衛隊の装備は、実質的な空母である護衛艦「いずも」の建造、攻撃戦闘機F35の大量購入によって格段に強化され、既に、世界中どこにでも展開できる軍事力を持っています。いつでも戦争できる状態にあるのです。
▸安倍政権は中東での軍事力行使の実態を作り、改憲の先取りを進め、改憲発議のハードルを下げようとしています。憲法が守り続けてきた、海外での武力行使をさせてはなりません。私たちは、自衛隊のホルムズ海峡派兵に断固反対します。
(2019年10月24日)
●ホルムズ海峡に自衛隊を派兵するな!軍事・制裁でなく平和的解決を!
●安倍政権の改憲・軍事拡大・生活破壊を止め、直ちに退陣させよう!
平和と民主主義をめざす全国交歓会(ZENKO)
TEL:090-8536-3170(山川) HP https://zenko-peace.com/
イラク・アブドルマハディ政権による市民・労働者500人以上の虐殺を許すな! ~日本政府はイラク政府へのODA即時停止を!~
◆2003年、フセイン政権の「大量破壊兵器を保有」を理由にアメリカをはじめとする有志連合はイラク戦争を開戦。日本政府も多くの市民の反対を押し切り2009年まで憲法違反の自衛隊派兵を行ってきました。
その後、大量破壊兵器は存在せず、100万人を超えるとされるイラク市民の命を奪ったイラク戦争と占領政策を国際世論厳しく批判し、ブッシュ大統領、ブレア首相、小泉首相などの戦争責任が問われました。
◆あれから既に16年以上経過しています。私たち『平和と民主主義をめざす全国交歓会(ZENKO)』は、毎年イラクの仲間を日本に招き、交流を継続してきました。
イラク戦争と占領は、現在もイラク社会の民主的発展を阻害し暗い影を落としています。グローバル資本の石油など利権をめぐる占領政策によってイラクは分断され、権力争いと暴力が横行し、命が奪われ、平和と民主主義を実現することが極めて困難となっています。そして自衛隊のイラク派兵を行った日本政府の責任も存在しています。
◆グローバル資本は、歴代イラク政府に利益を求め、汚職と腐敗が常態化しました。歴代政府は国営企業を閉鎖し、膨大な失業者を生み出しています(若者の失業率25%以上)。医療、福祉、教育も切り捨てられ、バグダッドでさえ電気や水道が使えない地域が多数存在しています。
◆今、イラクではアブドルマハディ政権の汚職や失業に抗議する市民デモが全土に拡大しました。アブドルマハディ政権は今回のデモに対し、バグダッドや中部カルバラ、南部のナシリヤ、バスラなど全国各地に治安部隊や宗派の私兵を送りこみ、市民・労働者のデモに発砲するという暴挙を行いました。
イラクの市民放送局サナテレビによると、治安部隊による発砲で10月初めの1週間で500人以上(政府発表は150人)が死亡し、1千人が負傷。逮捕者は6千人以上にのぼると報道されました。また、デモ参加者の自宅を襲撃し射殺、誘拐するなどの事件も続発しています。イラク労働者共産党は、「イラクは戦場の最前線にいるかのようだ」と政権を糾弾しています。
◆しかし、この事実は広く知られていません。イラク政府が衛星放送やインターネットの通信を遮断し、情報の拡散を妨害したためです。
◆この弾圧と虐殺に対して、イラク国内外の市民が立ち上がっています。イラク労働者共産党は、政府に対して治安部隊や宗派の私兵の暴力を停止させ、デモと意見表明の自由を認めよと要求し、世界の人権団体、労働組合、民主勢力に「イラク政府とその私兵による大虐殺を糾弾する。民衆の自宅への攻撃と無差別殺害を止めよう」と呼びかけています。
●歴代の自民党政権は、石油利権確保のためにイラク政府に数千億円のODA(政府開発援助)を提供してきました。この構造がアブドルマハディ政権を支えているのです。
日本からもアブドルマハディ政権に抗議し、暴力停止を要求する声を上げましょう!安倍政権にイラク政府へのODA即時停止を要求しましょう!
《抗議先》
●イラク大使館… FAX:03-5790-5315 /TEL:03-5790-5311●外務省… TEL:03-3580-3311