

ラマッラー:
パレスチナ労働者闘争ユニオン(PWSU)は、占領当局の警察が「1948年の領域」内にある建設現場でパレスチナ人労働者10人を逮捕したことを、最も強い言葉で非難する。これは、ヨルダン川西岸地区で深刻な経済的困難に直面し、就労の権利および人間らしい生活を営む権利が前例のない形で制限されている我々の労働者の生計を標的とした、弾圧と追跡の政策を改めて示す新たな動きである。
「1948年の領域」とは
この11月22日付けのアローシュさんの記事中の「1948年の領域」とは、1948年の第1次中東戦争でイスラエルが建国されイスラエルが実行支配するようになった領域(所謂グリーンライン内=イスラエル国内)を指しています。
パレスチナから見れば、イスラエル建国によって失われたパレスチナの土地です。
西岸地区のパレスチナ人労働者が不当入植の拡大とアパルトヘイト体制下の雇用不足と失業率の増大によって、やむを得ずイスラエル国内へ「越境」して仕事を探しに行かざるを得ないのが実態です。
パレスチナ解放運動側が「イスラエルの領域」と言わず、あえて「1948年の領域」というのは、歴史的政治的評価をはっきりさせるための表現です。
占領が労働者を追い回し、最も基本的な人権を奪い続けていることは、ヨルダン川西岸地区において雇用機会が著しく不足し、失業率の大幅な上昇と生活圧迫が進む状況の中で起きている。このため、数万人にのぼる人々が、あらゆる危険や抑圧を承知のうえで、「1948年の領域」内での就労機会を求めざるを得ない状況に追い込まれている。
パレスチナ労働者闘争ユニオンは、これらの行為が国際人道法および労働者の保護と権利に関する諸条約に対する明白な違反であることを強調する。同時にそれは、家族の糧を確保しようとするだけで、「被疑者」「危険人物」という烙印を押されるパレスチナ人労働者に向けられた、占領政策を支配する人種差別的な思考を露呈している。
同ユニオンは、国際労働機関(ILO)をはじめとする国際機関および世界の労働組合に対し、この占領政策を非難し、パレスチナ人労働者を逮捕、追跡、継続的な侵害から守るための緊急介入を行うこと、ならびに占領当局に対して、これらの恣意的措置を停止させるよう圧力をかけることを求める。
また同ユニオンは、国民的な経済的代替策を整備し、祖国の内部における労働者の踏ん張り(サムード)を強化するとともに、危険で非人道的な条件のもとで1948年の領域へ入るリスクを冒さずとも、人間らしい生活を保障する雇用機会を創出する必要性を強調する。
パレスチナ労働者闘争ユニオンは今後も、労働者の権利を守り、その不屈の姿勢を強めるための努力を続け、占領の抑圧的政策に立ち向かいながら、労働者の尊厳と権利を擁護する声であり続ける。
