●1月3日、米軍はイラクのバグダッドでイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害しました。
●トランプ大統領は「私の指示で、米軍がテロリストの首謀者を抹殺する完璧な作戦を実施した」「我々の行動は戦争を止めるためのものだった」と正当化しています。
●しかしこの殺害行為は、明らかに国際法違反であり、司令官の暗殺は断じて許されるものではありません。また独立国家イラクで勝手に先制攻撃を行い、戦争挑発行為をしていることは重大な主権侵害であり、認めることはできません。
◆イラン戦争の緊張を高めるトランプ政権
米軍は1月3日の暗殺作戦に続き、4日にイラク・バクダット北部で新たに空爆を実行。さらに中東地域へ約3500名の米兵を増派することを決めました。昨年末には、十数隻の米軍艦を含む米軍1万4千人の中東地域への増派を発表しています(12月4日『ウォールストリートジャーナル』)。
トランプ政権のこれらの戦争挑発に対抗し、イランのロウハニ大統領は、「間違いなくイランは彼(ソレイマニ氏)の復讐を行う(1月3日)」と表明しました。両国の緊張は、限りなく高まっています。
◆国際的に高まるイラン戦争NO!の声
イラク労働者共産党書記長サミール・アディル氏は、「この政策は戦争状態の宣告だとみなされ、イラクと中東の民衆の治安と安全を軍事的脅威にさらすものである(1月4日)」と批判しています。
また米国ANSWER連合は「トランプ政権とペンタゴンはイランの最高軍事指導者のカシム・ソレイマニを暗殺することによってイランとの戦争開始に動いた。もしもイランが公然と米国の最上級の将軍を暗殺してそれを自慢したら、米国は全面的な戦争を開始するだろう。トランプとペンタゴンは合衆国憲法と戦争権限法と、国際法に違反して違法な軍事行動を取ったのである」「トランプも戦争を求めているのは、そうすれば2020年の自分の大統領再選を保障してくれると考えているからだ(1月3日)」として、「今こそ行動を起こすべき時である」と呼びかけています。アメリカ―イラン戦争の危機が差し迫っているなかで、世界中の人々が 『NO WAR ON IRAN(イラン戦争やめよ)』と行動に立ち上がっています。
◆安倍政権のイラン戦争協力-自衛隊の中東派兵を止めよう!
国際社会は今、アメリカ-イラン戦争を止めるために動いています。国連のアントニオ・グテレス事務総長は「各国指導者は最大限の自制を行使しなければならない。湾岸地域で新たな戦争の勃発を許す余裕はない」との声明文を発表しました。ロシア、中国は米軍による司令官殺害を「国際法違反」と断じ、フランス、ドイツは「慎重さ」「自制を」「緊張緩和に貢献を」と表明しました。
このとき安倍首相は、12月28日から休暇を取り4日間もゴルフ三昧。1月4日、ゴルフの合間を縫ってのインタビューで暗殺には言及せず、「今月諸般の情勢が許せば中東を訪問する準備を進めたいと思っている」「おかげさまでゆっくりできました」と応えています。安倍首相が明確な態度を示さないのは、自衛隊の海外派兵と憲法に自衛隊を明記する憲法「改正」を狙っているからです。
安倍政権は、昨年12月27日の閣議決定で自衛隊の中東派兵を決定しました。1月中旬にP3C哨戒機による中東情報収集活動を、そして2月以降には護衛艦「たかなみ」を派遣するとしています。これを速やかに実行したいと考えているのです。
しかし現在の中東情勢において自衛隊をイラン近海・中東に送りだすことは、戦争状態の地域に自衛隊を派兵することを意味します。同盟国アメリカと一体となり、海外での武力行使を行う可能性があります。その計画の最高責任者である安倍首相が、自衛隊の中東派兵によって参戦国となる危険性について全く触れなかったことに最大の注意を払わなければなりません。安倍政権は、2014年に集団的自衛権行使容認の閣議決定し、2015年には戦争法を成立させました。また自衛隊の装備は、実質的な空母である護衛艦「いずも」の建造、攻撃戦闘機F35の大量購入によって格段に強化され、既に、世界中どこにでも展開できる軍事力を持っています。いつでも戦争できる状態にあるのです。
安倍政権は中東での軍事力行使の実態を作り、改憲の先取りを進め、改憲発議のハードルを下げようとしています。憲法が守り続けてきた、海外での武力行使をさせてはなりません。
私たちは、自衛隊の中東地域への派兵に断固反対します!世界の人々とともに、米国によるイラン戦争に反対しましょう!すべての外国軍隊の中東からの撤退を求めましょう!自衛隊の中東派兵を阻止し、安倍政権を倒しましょう!
平和と民主主義をめざす全国交歓会(ZENKO)
TEL:090-8536-3170(山川)